いよいよ病院に運ばれるmomizo。痛みはひどいが、もう安心!?しかし、とんでもない事態が・・・
救急車の担架から救急センターのベッドに這って移動する。1ヶ月間に2度目の救急搬送。もう慣れたもんだ。
「今度は動かないでね」
点滴のためのルート確保を看護師さんがするが、前回暴れまくったせいで未だにあざが残っている。看護師さんも覚えていて、「頭を私の肩に押しつけて!」と前回のベストポジションに移動する。
暴れてはいたものの、スムーズにルート確保はできた様だ。
すると、主治医がやってきた。
「どうした?またお腹痛いの?そんなことある?」
医者ですら動揺を隠せない様子。
というか、ここにいる全員が既視感を持っている。なんだか空気に緊張感がない。コメディを見ているみたいだ。
「前の腸閉塞は関係ないと思うけど・・・とにかくCTを撮ろう」
嫁さんがそばにいるのが分かる。しかもかなり動揺している様だ。
家族を呼んだ方がいいですか?なんて主治医に聞いている。最後を覚悟するなよ。
CTは空いていて(空けてくれて?)、すぐさまベッドごと移動の準備。その間に痛み止めが点滴されて、ほんの少しだけ楽になってきた。
「前と一緒ね。少しだけ我慢して動かないで。」
前回のCTは無理矢理押さえつけられて撮影したが、今回はそれよりはまし。でも、3人に押さえつけられていたのは変わりません。やっぱりまた被爆させてしまいました。
しかし、今回は私も病院も2度目。明らかに前回よりもいろいろとスムーズ。
CT撮影の後、救急センターに戻らず、病室へ移動します。
すでに入院の手続きは進んでいたようです。
ナースステーションから一番近い緊急用の個室に入る私。
看護師さんも、「また??」って感じで驚いてる。
でも、痛みはひどいが、お腹を押さえてうずくまっていれば、前回の様に看護師さんが困ってしまうほど暴れることはない。
痛み止めの効果も少しはあったと思う。
看護師さんが背中をさすったり、声をかけてくれるが、何一つ返事ができない。とにかく声になるのは濁点(゛)ばかり。
嫁さんもそばにいるが、泣きそうになっているのが分かる。
そして!この救急搬送の一番の屈辱がここに。
それは「尿意」。休憩室で2時間以上籠もっていて、そのまま搬送されてしまったので、トイレに行ってない。
しかし、ベッドの上でうずくまって動けず、トイレに行くなんてもってのほか。
とても我慢できない。漏らすわけにもいかない。
「尿瓶をお願いします・・・」
か細い声がさらにか細くなって看護師さんに懇願する。
看護師さんが急いで尿瓶を持ってきてくれる。
さすがに気を使って外へ出て行ってくれるが、ナースステーションから窓越しにほぼ丸見え。
でも、この時は全く気にならず、うずくまった体勢のままズボンを下げ、なんとかお漏らしをしないですみました。
ここがカノッサでなくてよかった。
想像してください。
苦しみながらうずくまっているガリガリの40代の男が、ベッドの上で尿瓶を抱えて排尿するという奇跡的なシーン。後から思い出すと、顔から火が出る思いです。
こうして、わずか1ヶ月の間に2度目の緊急手術となったわけですが、前回すぐに手術ができたのに対して、今回はなんと20分待ち。いや、それでも早いのだろうけど、こちらとしてはもう1分でも死にそう。
嫁さんや看護師さん、主治医の励ましに一切答えることができず、ベッドの上でお祈りの態勢でお尻を突き上げうずくまり、人生で最も長い20分を体験することになったのです。