トマトを選ぶとき、あなたは何を基準になさいますか?大きさ?色?つや?へたの切り口?

たいていのあなたは視覚、嗅覚(?)、触覚(!?)といった五感を頼りに自分の勘だけを信じて選んでいらっしゃるでしょう。その最たる人が御存じ海原さんです。新装オープン開店記念にやってきた海原さん。おもむろに並んでいるトマトを手にとってこんなことを言うのです。「ふん。こんなもの農薬まみれのみてくれだけじゃないか。俺ならもっとうまい最高のトマトを食わせてやるよ」そう言って選りすぐりの農家の畑までわざわざ出向いて特別に育てた無農薬栽培トマトをその場でもぎ取ってドヤ顔で「どうだ、うまいだろう」というのです。

 

ワクチンを私は扱います。トマトではありません。ワクチンは国の検定という厳しい検査に通らないと世に出ることができません。そして品質管理で最重要となるのが温度です。かなり厳重な温度管理のもとで保存そして流通されクリニックにやってきます。少なくともそう信じています。届いたワクチンの管理はそこから管理者である私の責任のもとで保存することになります。

 

うちにはじめて予防接種にいらっしゃる方には必ずこうお伝えしています。「うちは品質管理に自信を持っております」と。もしうちの設備で自慢したい設備が何かと聞かれたら私は迷わず「冷蔵庫」と答えます。よその先生が御自慢の設備といえば3DCTとか究極の電子カルテシステムとかフラットパネル撮影装置とか難しいことを言われるかもしれませんがうちはうちです。ちなみに申し訳ありませんがゑディオンさんとかでは扱っていない(と思われる)ワクチン専用のしっかりした冷蔵庫です。ご家庭用の物とは違うのですよ。この冷蔵庫で適した環境に冷やしたワクチンを、使う直前にご用意して、お盆に乗せてひっくり返さないように細心の注意を払って診察室に届けてもらっています。当たり前すぎて自慢することじゃない?その通りだと思います。当たり前のことをちゃんとやっていますよ。という何のオチもないお話でした。

 

御存じとは思いますが温度管理が不十分な環境にさらされたワクチンは効果がガタで乙なんだそうです。みてくれだけのワクチンってあるのかしらん。ちがいの分かる男になるのは難しそうな話ですよね。それでもインフルワクチン、そして来たるべきコロナワクチンを選ぶ機会がございましたらご参考に。