私はKindle版を購入しました。
この小説を著者のアリス・オズマンは17歳で書き上げたそうです。
私はNetFlixのドラマ「HeartStopper」を見てから、原作マンガを読んで、この「Solitaire」に辿り着きました。あとがきを読んだら、実は最初にこの本ができたのだそうです。
書いた動機は学校が嫌いすぎてとあり、この年頃で学校が好きな奴なんていないよなぁ_とw
主人公のトリは実はヴィクトリアという荘厳な名前を持っていますが、目立ちたくない出来ればそーっと空気と同化して誰にも気づかれたくない方によじれてる女の子です。
今も昔も変わらない17歳の頃は、まだこれからどうしようかとか、どうなろうとか漠然と混沌としているのに、何かにならなくちゃいけないという強迫観念が背中に貼り付いているのに決められない_そんな時期のように思います。
トリは学校に居場所が見つかりません。みんなと同じものを見ても同じ感情に高揚しないし、その気持ちを共有できる友人や家族がいません。たった1人だけ、自分の心を見せることができるのはチャーリーという摂食障害を持つ心優しい弟です。
学校で溶け込めないトリはある日、廊下の壁に貼られているポストイットに気が付きます。他の生徒は目の前にあっても気が付かないポストイットに誘われて古くて閉鎖されているPC教室で「Solitaire」という何も書かれていないブログを見つけるのです。
ここまでで、著者のアリスがポストイット(=3月うさぎ)を追いかけてお茶会に誘われたことを連想しました。ブログ「Solitaire」が提示して来る謎をいっしょに解くワトソン役に、大きな黒縁のメガネをかけたマイケルが登場します。友だち作りに消極的なトリが受け入れるマイケルは左右の眼の色が違う虹彩異色症(ヘテロクロミア)の少年です。チェシャ猫登場?とか考えつつ、どんどん読み進めていきました。
学校は「Solitaire」に踊らされて集団ヒステリーのようになり、大騒ぎになります。
本当はお茶会に招かれていたのはトリだけなのですが、小さな火種から気が付けば大火事になってしまいます。
誰が「Solitaire」を作ったのかが明かされ、大事件が起こるのをトリとマイケルが止めに行きます。
さて、「Solitaire」の主催は誰で2人は学校の大事件を止めることができるでしょうか。
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物語の流れはそんな感じですが、
伝えたいことは、私たちは生活の中でピースが嵌らない違和感や、周りの人とうまく同調できない悩みを抱えながらも何とか日々を送っていますが、そういう密かで小さいけれど見過ごせない思いを
無理をせず受け入れてくれる人だったり、モノだったりがきっと見つかる。
そういうことが言いたいんじゃーないかなと思いました。
幾つになっても、歯車がうまく嵌ってないなと思うことが多々ありますが、歳をとるとそれが当たり前すぎて飲み込んでしまっているのかも知れません。そうか、あの頃みたいに自分の気持ちに素直に憤ってもいいのかも知れませんね。
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