ブロガーさんのところで、鑑賞された方がいて見たいな_と思って調べました。
有楽町角川シネマで19:35の回があったので、飛び込みました。
日中戦争、文化大革命と時代に翻弄される京劇役者の程蝶衣と段小楼とその妻菊仙の物語です。
同じ養成所で苦楽を共にしてきた小楼を蝶衣は想っていますが、大雑把な小楼には伝わっていません。2人が人気スターとなった頃、小楼は女郎上がりの菊仙と結婚してしまうのです。
蝶衣の想いが叶う場所は、舞台の上で覇王と虞美人を演じているときだけなのです。
小楼は気のいい大男ですが、小楼と菊仙の間の緊張について考えようとはしません。
妻の菊仙と小楼はなんだかんだ言いつつ、仲の良い夫婦なので、結局ほぞを噛むのは常に蝶衣となります。
蝶衣のレスリー・チャンが綺麗です。濃い京劇の化粧の目の奥に溜まった涙が哀しいです。
ずうっと瞳の中に宿っているものがあるのですが、最後まで叶うことはなく自分で幕を下ろしてしまいます。
京劇の師匠が言っていた
「動物で芝居を見るのは人間だけ。だから芝居はどんな時代も無くならない」
これは感情が有るのは人間だけだからですよね。
172分があっという間に過ぎていく、映画のエネルギーを今も放っている作品です。
映画館迄、足運んで良かったと思います。