あたい、うに。
思い出したことがあるわ。
小さかったあたいはお母ちゃまと離れ離れになってから、ママのところにもらわれてきたのーー。
あたいのお母ちゃまは野良猫で、小さなあたいたちを一生懸命に育ててくれてーー。
でもある日、あたいは一人ぽっちで取り残されてーー。
毎日お母ちゃまを探してーー。
お母ちゃまを呼んで、呼んでーー。
お母ちゃまにはお母ちゃまが狩りに出ているときには声は出さない・動き回らない・人間には気をつける・大人の、特に雄(オス)猫には気をつけるように言われていたんだけどーー。
日が暮れて、日が昇って、また暮れてーーが何度も続いたら我慢ができなくなってしまったのーー。
でも、大きな声を出していたから(そうねぇー3日ぐらいかしら…)人間に捕まってしまったのーー。
ーー怖かったわ。
お母ちゃまには人間は怖い、って言われていたし、大人の雄猫もとても怖いって言い聞かさてていたからーー。
でもね、捕まってから何日かして連れて行かれたお部屋には、人間と大人の雄猫がいたの。
もう、恐ろしかったわ。
でも、その恐ろしい部屋で、最初にご飯をもたったの。
いつもは、お母ちゃまが獲ってきてくれた獲物と、お母ちゃまのミルクを兄弟で仲良く、少しつづ飲んだり食べたりしていたんだけどーー見たこともないカリカリ。
とてもいい匂いがしたから、いっぱい食べちゃったわ。
カリカリのお皿にダイブして、お兄ちゃんに取られないように頑張っていたの。
その時のお兄ちゃんのしょっぱい顔と、人間の(あ、今のママね)あっけに取られた顔、サイコーだったわ。
でもね、ママは別のお皿を持ってきて、新しいカリカリをお兄ちゃんに用意したの。
あたい、そのお皿にもダイブしたんだけど、そうしたら、さっきまであたいがダイブしていたお皿のカリカリをお兄ちゃんが食べていたの
お水も、ミルクももらったの。
でも、あたいはお母ちゃまが恋しくて、大きな人間と、大人の猫が怖くて、ずっと距離を取っていたの。
それなのにーー。
人間の横で寛(くつろ)ぐ大人の猫。
ちょと、人間なんかに気を許してるんじゃあないわ。
それでも猫なの?
って聞いたら。
飼い猫だからいいのーー。
ですって。
あたいはね、大人の猫は、自分でご飯を獲ってくると思っていたの。
でも、人間もあたいたちを外には出さなくてーー。
それでもーー。
何よ、犬みたいにお腹を見せているんじゃあないわよ。
って、言ったらーー。
犬でーす。
ママーご飯くださーい。
ですって。
何よッ! 人間をママなんて呼んでいるんじゃあないわよ。
狗 ーー(いぬ【犬/×狗】 · 1 卑しめ軽んじる意を表す)
って言ったら。
狗でーす、撫でてください。
ですって。
あなた、それでいいの?
人間なんて、あたいたちを虐めて楽しむのではないの?
信じないほうがいいわ、あたい、お母ちゃまに聞いて知っているんだから、あなたひどい目に遭うわよ。
あたいは親切だから、だらけているお兄ちゃんに教えて上げたのよ。
それは、人間による、あぁ、飼い猫は楽ですわ~。
お腹も空かない。喉も渇(かわ)かない。マッサージもしてもらえる、極楽極楽ぅ
………
そういうものかしら、あたいもちょっと寛いでみたわ。
すぐに逃げられるようにだけど(何ヶ月か経ってからだけど…)
何も起こらなかったわ。
ご飯ももらえたしーー。
ちょと、お腹を出してみたわ。
何も起こらないーー。
ちょっと、触ってみる?
って言ったら喜んで触っていたわ。
怯えたり、隠れていたあたいが馬鹿みたいじゃあないのッ。
と、言うことを思い出したの。
なんか、損していた気分だわ。
これからは元を取っていくわよ。
飼い猫生活をエンジョイするの
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今日もたくさんの「いいね」をありがとう。
皆さんにもきっといいことがあるわ。
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