#ギイタクパラレル

両性具有




琉惺の服の隙間に、山桜桃は手を差し入れる。

「男の身体、平気?」


琉惺が、山桜桃の服をぎゅっと握りしめる。

「…山桜桃のは、平気」



どこまでしていいのかな、と山桜桃は思ったけど。


琉惺は、緊張していて。


肌の上を滑る指の腹に、びくびくと身体を硬くしていた。


くすぐったいとか、感じるとか以前に、触られている、ということに必死になっていた。


それが


たまらなく可愛かった。




最後に抱きしめてキスして、琉惺の服を整えてあげる。


山桜桃は、興奮するとかより、琉惺に触れて満足。


緊張して立たない琉惺には、それ以上のことは出来なかったけど。


触られていることを意識する琉惺は、可愛かった。



琉惺が、呼吸を整えて、やっと口を開く。

「あのさ」


山桜桃は、愛おしいなぁ、と、琉惺の髪を撫でる。

「うん?」


「拓さん、した?よね」


「…聞く?」


「聞かないで、想像し過ぎる方が、しんどい」


山桜桃は、細く息を吐いた。

「拓は、しないと不安な子だったからね」


「だから、した?」


「うーん…

 好きな子の、望むようにする、かな」


「山桜桃、は?

 したいの?別に?」


「うーん…

 好きな子が、嫌なのは、嫌なんだよ」


「山桜桃自身は…」


「ささらとは、してない。

 拓とはした。

 琉惺とはしてない。

 オレ自身は…どうなんだろうね

 …うん。

 好きでいたいよ。

 相手にも、好きでいて欲しい。

 欲張りだし、独占欲強いけど

 形は、相手がいいように、で構わないかな」


山桜桃が琉惺の額に口付ける。

「だから、無理しないで。

 どんな形でも、

 ちゃんと、愛してるから」


琉惺は、目を閉じて


涙が出そうだった。


山桜桃を、


好きで


好きで


どうしたらいいか


分からない。




この好きを


どう表現していいか


分からない。