#ギイタク
if


こんなに好きになる予定じゃなかった。



あんなに必要とされて

確かに愛されて。

モノトーンの人生が

モノトーンだとすら気付かなかったのに

気付いてしまった。

きみが彩りを加えてくれた。

生きているって

きっとこんなこと。

きみの為に、悲しかったり悔しかったり

楽しかったり、嬉しかったり

でも、どれも幸せなこと。

きみがいるから出来たこと。

人を好きになって

その人が自分のことを好きで

これ以上の幸せ

ない。

「やだ」

ワガママじゃなかった僕は、きみにワガママを言う。

「いなくなるでしょ」

「僕は途中から感じてた」

きみに関してだけ、変に勘が良くなった。

「置いていかないで」

「もうひとりには、なれない」

温もりを手放せない。

僕を見詰める眼差しを失いたくない。

「やだ…」

子供のような僕。

だって、失くしたくないものなんて今までなかった。

すき

すきだよ、

困るきみを困らせる僕。

アメリカへ戻ることは、分かっていたくせに、どうして僕と始めた?

別れることが決まっていて、どうして繋がった?


嫌だ

離れたくない。


きみと会って覚えたこと

待つことと、泣くこと。

待つものなんて今までなかった。

待つって、切なくて嬉しい。

待ってきみの顔を見れた瞬間、空間全ての彩度が一気に変わるんだ。

たまらなくきみに抱きつく。

きみがここにいる感触。

抱きしめ返す、きみの腕の力。

ここに僕の居場所がある。

温かさが生きている事を伝える。

僕は生きている

きみに生かされている。

きみは僕の片方の羽だなって思う。

僕ひとりじゃ、飛べないけど

きみとなら飛べる気がするから。


そんなに長くではないかもしれない

でも僕らは離れてなくてはいけない。

我慢、しなくちゃ。

でも遠い。

10000キロを超える

海を超える、彼方。

我慢…出来るかな。



だって

こんなに好きになる

予定じゃなかった。


飛べるかな

above

上方に

もっと、もっと上に。

きみとなら。




『花咲くように君がいる『すき』』
end