今日は、風が強くて

夕方から急に冷えたんだ。

早く帰って、温まりたくて、

途中、カフェラテのホット買って

パッケージが桜色で、

ちょっと気持ちも温まったんだ。可愛いよね。
#BLオリキャラ



桜舞い散る季節、待ちわびる

まだ早春。

時折り、不意に冷え込む。

寒いのは、ひとりじゃ温まらない。

温めて?




「たーだいまー」

残業の上、帰りがけに冷え込んで、萎えてる羅奈。

今夜は鍋を作ってやろうじゃないか、朔也さんが。

「お帰り。
 急に寒くなったな」

あらかた出来上がった土鍋を見て、羅奈が両手を合わせる。

「うわ、ありがと。
 救われるー」

「それからも、救われた?」

朔也が示した先の羅奈の手には、保温系の紙コップ。

「あ、うん、あまりの寒さに、ホットのラテ途中で買った」

綺麗な春模様のカップ。

ラテ、羅奈は何かと乳製品が好きだ。

「もっぱら、ブラックコーヒーなのにな」

「んー、癒されたかったかなー、あまりの寒さに」

「後で俺があっためてやるって」

「ん、うん」

やけに素直。




「チーズに、ヨーグルトに、牛乳、お前好きな」

「んー、甘えたなんだろね」

食後、お疲れの羅奈をソファで休ませて、朔也が片付ける。

食洗機に食器を入れてしまって、スイッチを入れる。

朔也は、羅奈の隣に腰を下ろした。

「甘え?」

羅奈がうなずく。

「乳恋しいわけだろね」

羅奈は、今まであまり甘やかされてきてないだろう。

「任せろ、次生まれ変わってきたら、俺がお前の面倒みてやる。ミルク飲ませてやるからなー」

羅奈が不可解そうな顔をする。

「朔也、俺の何になる気?」

「え、親父は嫌だな、兄貴?」

羅奈が首を横に振る。

「駄目、俺、次も間違いなく朔也好きになるから、血縁関係はやめて」

なんか、さりげにすごい嬉しい事言われた気が。

「じゃ、近所のにーちゃん。
 生まれてから、ずっと可愛がって、近寄る女も男も、全部払い除けて、俺しか見せないようにする」

羅奈が笑う。

「それじゃ、必ず間違いなく朔也を好きになるね」

「もちろん、それが狙いで、生まれてからずっと可愛いがりまくるんだからな」

まだ羅奈がウケている。

「えー、そんなことしなくても、好きになるよ」

「『らな、おっきくなったら、おにーちゃんのおよめさんになるー』って言わせる」

「?それって、設定、俺、女の子?」

「んな細かいことはどうでもいいんだよ、俺は羅奈が好きなんだから、女だろうと男だろうと」

羅奈が、細かいかなぁ?と、首をかしげる。

朔也は羅奈の腰を引き寄せた。

「俺が、羅奈の初めて、全部もらうから。
 あー、至福だなぁ。
 お前に、キス教えるの俺ね?」

羅奈がまた笑う。

「朔也、妄想し過ぎ」

「チェックのミニスカの制服とか、可愛いぞ羅奈」

「俺の設定、女の子じゃん」

「いや、どっちでもいいんだって」

ですか。

「羅奈、お腹はあったまった?」

「ああ、うん。
 あったかい水炊きありがと」

朔也が頬にキスする。

「じゃ、お風呂で、身体も温めて、冷めないうちにベッド入ろう」

「うん。
 今夜は冷えるー」



また寒気団が、上空に来てる。

必ず桜が咲く前には、こうやって冷え込む。

きっと、あの綺麗な桜色を映えさせる為に。

でも、羅奈に寒さは酷だから。

体温分けるから、温め合おう?

混ざり合って、溶け込む。

桜色パッケージのカフェラテみたいになって。

もちろんホットのね。