私は子供の頃から結構なアトピー体質の持ち主。
元より体はそんなに強い方ではないのです。
色々欠陥もある、そんな体しております。

子供の頃、風邪をひくと周りが呆れるくらい長い間、微妙な熱を出してました。
その時、言われていたのは
『何であんたはそんなにダラダラと長い間熱を出すの、ちゃんと早く治して』
そんなこと言われても私にはどうしようもないわけで。
そして仕事をしていた母の手を煩わせることも、
お家で一人熱でぼんやりしながらも寝るしかできないことも、
全部悪い事だと思って、そう言われてもごめんなさいとしか思いませんでした。

そして、アレルギー体質でアトピーだったので、
何かあるとすぐに蕁麻疹を出したり、アトピーが出てひどくなりました。
その時言われていたのが、
『何であんただけこんな体質なんだろう』
この言葉にもごめんなさいしか思えず、いつしか蕁麻疹が出ても黙るようになりました。

私は病気になったらいけない。
迷惑をかけてしまうから。
元気でなくちゃいけない。
嫌な気持ちにさせてしまうから。

両親は悪気はなく、ちゃんと心配もしてくれていましたが、
子育て、仕事、夫婦のあれこれ、
そして私の元来の根暗な性質(性格)も重なり、
無意識のうちに見たくなかったんだろうなって思う。

同じ症状が出ても兄は心配されて、手をかけてもらえるけど、
私は大人しく寝て、黙っている事が、一番邪魔にならないのだと思っていました。

18の時に思い切りアトピーが悪化。
中学の頃から喫煙してみたり色々反抗したりしてたので、
『自分自身が体に悪いことしてるからそうなるんだ』とよく言われ、
うるせーなって思いながらもそれを認めていたりしました。

27の時は妊娠を機に悪化。死にかけるほどの滲出液が出まくり入院、
体は皮膚代わりとなる薬を塗られ、包帯でぐるぐる巻きにされたので、
さすがにこれは家族総出で私の世話を焼いてくれてありがたいと思うばかりでした。

この時もたかが妊娠をしただけでこんなになってごめんなさい…でした。
その時は元夫に『たかが妊娠したくらいで何様やねん、何でそんな体やねん、甘えとんちゃうか!めんどくさい!』と言われたこともあり、
もう子供がお腹の中で小さなままのことも、何もかもが私の体のせいなんだと責めてました。


そして、38の今、またアトピーが悪化。

でも、今、私はアトピーの症状は痒いし、目立つし、見た目も綺麗なものではないから、
『あ~、また出たな~』と思うのは事実ですが、
一つだけ、今迄とは違うところがあるんです。

『アトピーが出ててもええよ。
頑張ってきて疲れたんやね、私。
休んでもいいから、ゆっくりしてみ?』と
私が私に言えるのです。

私はそれなりに心のお勉強とかしました。
自分もカウンセリングを受けたり、
セラピストもしていたし、
そこそこは感覚的に捉えてるのだと思います。

私はアトピーでもいい。
私の見た目は多少変わっても私自身は変わらない。

アトピーが出てきたら、つらいんです。
正直、体力もなくなります。
眠れないから、痒くて。
滲出液が出てくると、気持ち悪くて。

でも、これ、私にとっては
『ちょっと無理してた合図』でもあるし、
自分を大切にする見直しを与えてくれているだけなんです。

だから、痒くて掻く事でストレスを発散しせている自分に気が付いたりします。
そんな時は椿油たっぷり塗ってマッサージしながら、痒いねって言いながら自分の体を目一杯撫でてあげます。
椿油は皮膚に近い成分を80%含んでると聞いたことがあるし、不乾油なので乾かずしっとりして落ち着いてきます。

治ってきますよ、ゆっくりと。
私はいつもこれで皮膚の症状は落ち着いてきます。

前にアトピーは私のお友達みたいなものだと書きましたが、
本当にそうで、私がアトピーという症状を大切にすれば、
アトピーは必ず落ち着いて治ります。

アトピーでもいい。

これ、アトピーの人はなかなか思えない。
見た目、痒さ、つらさ、治らない怖さ、
外を歩けば人の目が気になる悲しさ、
たくさんたくさん感じるから。

全身真っ赤に腫れて、皮がむけて、
滲出液ダラダラと流してた私だからそれはよく知ってる。
面と向かって『気持ち悪い』と言われたこともたくさんあるから。

けど、アトピーが出ているってことは、
『何かが合ってないよ』と体が教えてくれているってこと。

食べ物か、埃か、ストレスか、環境か、人によって違うけれど、それを知らせてくれる合図。

そしてアトピーが出たなら、近頃の自分を振り返り、
何かなかったか、変わったことはないか、ストレスはないか、無理していないか…と確かめていくと、
ふ…と気が付いたりします。

『頑張りすぎてる自分』に。

今はつらいけど、いつまでもつらい、、、とは言い切れない。
ずっとつらかったなら、ずっとつらいのを耐えて頑張ってきた自分をヨシヨシしてあげていい。

アトピーだからって何も私自身が悪いわけではないのだから、
アトピーが出てくるくらい何かに反応してる自分を大切にしてあげていい。

引け目なんていらない。

今回の私のアトピーの原因は、
とある事が原因で、
『私の存在を否定された』という
私の思い込みから始まった、
長い間積み重ねた悲しみからです。

遡れば病気になってはいけないという思い込みから始まった、存在否定をされたと勝手に思い込んだ根っこからです。

だから、私だけは私を否定せず、
この症状が出ている私を
大切にするだけなんです。

アトピー一つでもたくさん見えてくるものがある。

私はアトピーになる事で、
『ほら、見てごらん、周りからの忠告を聞かず好きな様に生きているからそうなるんだ』と
周りに言われる事で、『ごめんなさい』と言って許してもらえることを望んでいるのです。
許してもらって、愛されていると確かめて、居場所がある存在だと感じたいから。

でも、これ、もういらないから、
自分で自分がこのままでいてもいい、
私はここにいていいと自分を大切にして、
自分がそんな事を思い込んでしまった所から、
そろそろ抜け出していいよっていう合図なんです。

うまくは言えないけど。

アトピーでもいいねん、私は。

この体で生まれてきたからこそ、
そんなことに気がつけたんだから。

子供の頃から感じていた淋しさや悲しみを、
今感じることで手離していける。

ちゃんと何度も感じさせてくれる出来事が起こるから、
何度だって私はアトピーを通してそれを感じて癒せる。

アトピーでもいい。

それが私の今の気持ち。

こんな風にアトピーを受け入れている
元重症アトピー患者でもあり、
現アトピー人間でもあり、
必ず『どこがアトピーなの?』と言われる様になれる私を見て、
『そんなアトピーとの付き合い方もあるんだな』と思ってくれる人がいたら嬉しい。

アトピーも使いよう(笑

ポジティブアトピー患者しまーす。