前記事  からの続きです。


「ん?業務を全て

引き継いでもらえるんですか?」


「うん。

だから経理もS崎に引き継いでもらうから」


「え?S崎さんって経理出来るんですか?」


「うん、出来るよ」


(いぁいぁ、出来ないでしょ。

この間、電話掛けてきて、

売掛金が入金された時の、

振替伝表の書き方を教えてくれって、

聞かれましたよね?

それに、私と話しをした時、

支払いが遅れているのに、

お金は廻ってるって言ってたけど?)


「・・・へー。そうなんですか。

ということは、電話などももう、

こちらで取らな形になるんでしょうか?」


「うん、電話もね、転送にしちゃうから」


(ということは、郵便物もか。

うわ~、新しい人、大変だぞぉ。

ちゃんと全部、話してあるのかなぁ。

まぁいいや。私はラッキーだわ。)


「・・・わかりました。

いつ頃からかはまだ分からないですよね?」


「登記は6月30日でやっちゃうから、

業務の方は今月中あたりかな」


「居酒屋の従業員への告知は、

もうされたんですか?」


「いや、一通り落ち着いてから、

俺が一度店に行って、皆に言うよ。」


はい??


一旦ここで、電話は切りました。

私と支配人との会話を、

隣で立って聞いていた税理士さんは、

頭を抱えていました。


「え?え?

先月までの話しと、

やっぱり全然変わってますよね?」


「代表者変更が確定なら、

決算書の代表者名も

変えないといけないのに、

朝、何も言われませんでしたよ?」


「いつこちらにその話しを、

してくれるつもりなんでしょうかね?」


「うーん、そうですねぇ。

多分もう、

報告しているつもりなのかもしれません。

そういう、勝手な思い込みが凄いので、

その思い込みで

私たちも被害に会う事があります。」


「いやいや、困りますよ。

困りましたよ。どうしましょうか。

先ほど見せていただいた、

株主総会議事録の方たちで、

決算書は作成なんでしょうかね?」


「あの言い方だと、

そのつもりだと思いますよ。」


「では、決算の報告も、

新しい方たちにする方向で、

宜しいんでしょうかね?」


「それなんですけど・・・。

この間、気になる事を言ったんです。

俺が受け取って、持っていくと。

税理士さんから詳細を説明されると、

都合が悪いので、

避けるためかもしれません。」


「・・・・それは、まずいですよね」


「えぇ、決算書も見せていませんし、

財務状態なんて、

全然分かっていないはずなのに、

何をどう話したら、

就任してもらえたのやら・・・」


「そうなんですよ、さっき、

居酒屋の家賃の滞納額が

6月末の時点で

どれくらいあると認識しているか、

確認させていただいたときに、


そんなにはないよ?

300万円くらいしかないよ。


っておっしゃったんですよ。」


「ぶっ!(笑

勝手に半額になってるし、

300万円”しか”って?

300万円って大金ですよね。」


「凄い感覚の

持ち主でいらっしゃいますよね。」


「実際は600万円以上ですよね?」


「えぇ、そうなんですよ。

だから、管理会社さんに、

残高の一覧を貰ってくださいと、

お願いしました。」


(300万円っていったら、

一般人の1年分の生活費だっつの。

”しか”って感覚なら、払えるはずだろ!!)



税理士さんと二人で、

呆れて色々話しているうちに、

おかしいと思う所を、

まとめてみたんです。



つづく