皆様、こんにちは。
すっかりアフターコロナって感じですね。
電車も混んできたし、GWは例年に近い人手になるでしょう。
海外をみても、先進国はちゃんとワクチンを接種して、
(良いのか微妙ですが)マスクなしでイベントなど行われていますね。
でも、お金のない国は大変そう。
完全封じ込みを行っている中国も、全員に接種するだけのワクチンを購入するお金は
もったいないのでしょう。
それぞれの人が所属する国によって、幸不幸が大きく変わってくる世の中になってしまった感じがします。
早く世界からコロナが撲滅されることを切に願います。
さて、続きです。
「なっちゃん、私、なっちゃんに渡したいものがあるの。なっちゃんは長くはここにはいられないだろうから、今、あげるわね。」
アイトはそう言うと、私の両手を自分の両手で包み込みました。
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アイトの手はひんやりと冷たく、すべすべの肌触りでした。
『気持ちいい。』
そう思った時、アイトの手から、何かが私の中にどっと流れ込んできました。
ほんの一瞬ですが、ものすごく沢山の“なにか”が私の中に入ってきたのです。
そう。それは多分、アイトの記憶。
それも、その一瞬で見た記憶の中には、いくつもの季節があったので、
長い年月のたくさんの記憶が一度に入ってきた感じです。
沢山の春夏秋冬と、めぐる季節の中でアイトが体験した事。
それが本当に沢山、入ってきたのでした。
どこかの湖のほとりで芽吹いて、育って、お花を咲かせて、その横で花を眺めながらすごして。そしてお花は種になりアイトも一緒に眠りに入る。
そして、季節が変わって、また春が来るとともに次の芽が芽吹くとともにアイトも目覚めて。何度も何度もそれを繰り返して。
そしてある時には、種が風に巻き上げられて信じられないくらい遠くに飛ばされたり、水鳥の脚にくっついて遠くに運ばれたり。毎年毎年、いろんな経験を重ねて来ていたのでした。
そして最後が、私と出会う直前の事。
種が渡り鳥の羽の間にくっついて、何日もかけて遠くから運ばれて、海を渡って日本の地に落ち、芽吹いて花を咲かせて。
そして、私との出会い。
アイトは記憶を継続させたまま、何度も何度も生まれ変わっていましたが、その長い過程で、私以外の人間とは、出会ったことは無かったようでした。
それで、人の生活を興味津々で見ていたのね。
そして、私との生活がどのくらい楽しかったのか、いっぱいいっぱい私に伝わって来ました。
アイトが言います。
「なっちゃん、ありがとう。とってもとってもありがとう。すごーくすごーく楽しかったわ。」
「アイト、私こそ。ホントにホントにありがとうね。」
涙目でアイトにそう話しかけた時、すっと冷たい風が吹いてきました。
「なっちゃん、もう時間みたいね。」
「え?どうして?私、もっと長くここにいたいわ。」
「駄目なの。なっちゃんは生きてる人間だから、ここに長くはいられないわ。」
「そんなー。」
「なっちゃん、今日は来てくれてありがとう。とっても嬉しかったわ。」
「えー!いやよ。もっとここにいる!」
「なっちゃん、ごめんね。またね。」
「そんなー。え?また会えるの?」
「きっとね!」
次の瞬間、ぱっと目が覚めました。
私はお布団の中にいました。
上には蛍光灯の横の小さな豆電球が鈍く光っていました。
続きます。
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