皆様、こんばんは。
寒い日が続いていますね。
東京はお天気が良くて、昼間は気持ち良い感じですが、
日本海側の方々は豪雪で大変そうですね。
例年よりも雪が多い感じもしますし、大雪地域の方々は、
雪下ろしや車の運転には特に気を付けて下さいね。
さて、続きです。
『早くしないと暗くなっちゃう。アイト、お願い!早くお父さんを呼んできて!』
私はそう祈りながら、雨の中、川の中で葦に囲まれながら、空を見上げて祈っていました。
↓
それから小一時間が過ぎました。
砂利道を車が走る音でハッとして上を見上げました。
既に暗くなってきた空と、土手の道を走る車のヘッドライトの光が見えました。
『もしかしたらお父さん?それとも他の人?誰でもいいわ!声を上げなきゃ!!』
「おーい!誰か助けて―!」
自分でもびっくりするくらいの声が出ました。
ヘッドライトの光は、私のすぐ上あたりで止まりました。
バタンと車のドアを閉める音がするとすぐに、薄紫色の光を帯びたアイトが土手の斜面を転がるように私のところに落ちてきました。
「なっちゃん、お待たせ―。」
「おーいナツ、なっちゃん、そこにおるんか?」
上から父の声がしました。
「お父さん!ここにいるよ!」
父が土手の上から懐中電灯で照らしてきました。
私まで光が届かない感じだったので、目の前の葦の枝をゆさゆさと揺らしました。
「そこかー、そこにおるんか。」
「ここー!」
大きな声で答えました。
「そこで何しよるんか?」
能天気な質問です。
「落ちたの。出られない。助けて!」
「おう。道具を持ってくるから、ちょっと待っとれ。」
父はまた車に乗り込むと、砂利道を走って行きました。
一安心です。
「ふう。これで大丈夫。アイト、ありがとうね。」
「うふふっ。なっちゃんのためだからねー。」
私は、肩に乗ったアイトに、いっぱい頬ずりをしました。
暫くすると、父がまた車で戻ってきました。
そして、太いロープを下に伸ばしてきました。
「これにつかまって登って来れるか?」
「むりー」
確かに、当時の体力では、ロープを伝わって上がるほどの腕の力はありません。
「じゃあ、わしが降りていくから、ちょっと待っとれ。」
すぐに父は、途中の段差の所まで降りてくると、そこから梯子を降ろし、私の横に降りてきました。
私は黙って父に抱きつきました。
涙がいっぱい溢れてきて、声も出ません。
「なんじゃ、泣いとるんか?」
「泣いてない。」
そう言って強がりを言うナツです。
続きます。
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