皆様、こんばんは。

先週はまたパスしちゃってごめんなさい。

明日一日お出掛けで時間が無いので、今回は珍しく土曜日に更新します。

 

コロナが収束してきて、人の流れが少しづつ戻ってきました。

とても嬉しいいです。

飲食店も混んできたようですし、ワクチンをみんなが打った今がチャンス!

何か月かしたらワクチンの効果が落ちて来て、またぶり返すかもしれませんので、

動けるうちに精いっぱい動いて稼いでおかないと、ですねー。

 

私はビビりなので、飲みに行ったりはしませんが、行ける方は今のうちに飲食業界に貢献して下さいね!

 

さて、続きです。

 

「なっちゃん、あれなに?」

突然アイトが、海の少し沖の方を指さして声を上げます。

 

 

波一つなくものすごく凪いだ海は、水面の乱反射が無く、少し遠くの海の底まで綺麗に見えます。

 

しかし、沖の方は海の底が黒くなっているように見えるほど大きな、黒く平らなかたまりがゆらゆらとしながら、海底に沈んでいるのが見えます。

黒い塊は沖の方から繋がっているようで、沖のどこまで繋がっているのかわかりません。

 

横幅は海の底が見える範囲全部くらい。まるで、薄くなって広がらない濃い墨汁を流したのが海底に沈んで固まっているようです。

 

じっと見ていると、その明らかに水とは混ざっていない、海底に沈む黒くて大きな平らな何か?は、ゆらゆらとしながら、すこしづつ岸の方に近づいてくるのです。

 

「お母さん!あれ何?」

私は、その黒い何かを指さしながら、浅いところで浮き輪に入った妹達を海水に浸からせている母に叫びました。

 

「え?なんもおらんよ?海の底にも石がようけ(たくさん)あるのがみえるだけじゃいねえ。魚も泳いどらんが。」

そんな事を言ってます。

 

「海の底を見て!沖の方に大きな黒いのがおるじゃろう。」

「いいや。なんもおらんよ。」

 

「えー!でも、海の底に黒い何かがおるんよ。お母さん、見えんの?」

「お母さんにはなんも見えんよ。またあんた、何か見えたんかね。」

 

どうやら、黒い何かは私とアイトにしか見えないようです。

「ううん。なんか見えるからじゃけど、ええわ。」

 

そうこうしているうちに、黒い何かはだんだんと岸に近づいてきます。

 

そして、皆で泳いでいるところから沖に向かって10メートル位の所まで近づいてきました。

 

それを見ていると、母が急に何か言ってました。

「こりゃぁ、いけん(大変だ)。」

 

「え?」

「なっちゃん、ちょっとこの子らを見といて。」

 

母は、私に妹二人の浮き輪を持たせると、膝くらいの水深の所をバシャバシャと水をかき分けながら水の中を走り、私達から5mほど横に離れたところで同じように水に浸かっていた“よそのお母さん”に叫んでます。

 

「ちょっとー、あんたとこの子が溺れよる。はよう助けにゃぁ。」

 

私もそっちを見ると。浮き輪に入って浮いていたはずの子供が、浮き輪からつるんと下に落ちて、水中で手足をバタバタさせています。

 

その子のお母さんは、母の声で自分の子供が水中にいることにびっくりして、慌てて水中に手を伸ばしますが、届きません。

 

私は子供ながらに、大変なことになりそうというのがわかりました。

 

アイトも、私の肩でキャーキャー言ってます。

「大変、あの子、溺れちゃう。」

 

私は妹たちの浮き輪をぎゅっと握って、母を見守っていました。

 

 

続きます。

 

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皆様に幸せがいっぱい舞い降りますように!!!

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