2021年。今年もよろしくお願いいたします。

・・1月1日、主人と新年のLINE電話面会。

「20・・20・・」としきりに数字を言うので、あれ・・?と思い当たった。

今年結婚20年になるんだ。

さすがよく覚えてるんだね。正月から絶好調です、パパ!

私があまり、記念日覚えてないので、日付は分からないけど、多分3月。

指輪も無くしたりサイズ合わなくなったりで、この機会に買い直したいなと。

結婚指輪を作ったのは、新宿伊勢丹のティファニー・・せっかくだから同じ所で作りたかった。

出かけるのは難しいかなぁ。

 

~12月の読書日記~

 

 

子どもの頃、読んで挫折した「赤毛のアン」・・40年のブランクを経て、ようやく1作目を読み終えた。

挫折ポイントは後述するとして、感じた点を3つ挙げてみる。

①主人公アンの、並外れた潔癖さ

②自分で自分を幸せにする、想像力と聡明さ

③一歩間違えば命の危険も!結構なアンのしくじりっぷりは・・、半分はマリラのせい!?

 

まず一番印象に残ったのが、主人公アン・シャーリーの潔癖さだった。

潔癖といっても、精神的な方のね。

孤児院からやってきた時が11歳。物語の終盤の落ち着いてる頃には15~6歳。

少女らしいといえば少女らしい、強い正義感・信念に妥協しない様子は、なかなか個性的な子だなと思いました。

女の子同士の友情、特にダイアナとの友情に、大袈裟なくらい重きを置く感じは、それまで安定した家庭に育たなかった不安の表れではないかなと勘繰りました。

また、大人に対しても激しく主張する‥時には「とんでもない癇癪持ち!」とも窘められるほど。

自分がちょっとでも咎められたら倍返し!のプライドの高さ・・なあなあで許せない気高さは、勝気な少女らしいように理解できる。

ただ、とりわけ、同級の少年ギルバートへの、怒りの持続はちょっとびっくりするくらいだった。

後々ギルバートはアンの大切な男性になるとのことだが、この当初は好きな子イジメるタイプの、ただの男の子。

赤毛をからかわれて怒るのは分かるけど、石板ぶちかますのはやりすぎじゃ!?・・しかも、その後ギルバートがちょいちょい謝って来ても、完無視。その名を口にしたくもないほど、怒りを長期にわたって持続させてるんだよね。

思い返せば自分も、少し経てばケロッと忘れる・・というタイプでは無かったかも。

今でこそ、ネガティブなことは引きずらないようにしてるけど、10代はネガティブをエネルギーに生きてるところもあった。

ああ、今50歳も近くなってアンに少女時代を重ねるとは・・・。

 

二つ目に、アンの魅力の一つである想像力ね。

例えばただの池を「輝く湖水」とか、そこら辺の並木道を「歓喜の白路」とか名付けるあたり。

これって、アンだけに見えるパラレルワールドなんだよね。同時に存在している、別空間というか。

私が忍者ごっこにハマっていた頃(笑)、近所の汚い用水路は「修行の滝」だったし、立派な一軒家は「お城」だった。

そんな、大人から見れば馬鹿馬鹿しいことも、想像力という力なんだ。

アンは「もし○〇だったら」という、豊かな想像力を駆使して、孤独な子ども時代からずっと自分を幸せにしてきたのだと思う。

さらに、元々の聡明さ、知的能力の高さで徐々に周りの信頼を得て、自分の居場所たるものを確立していく。

残念だけど、アンほどの賢さがなければ、ちょっとヤバイ子と思われて孤立していたかも。

 

三つ目は数々のしくじりっぷり。

容姿をいじられて激昂するのも、しくじりの一つだったかも知れないが、それはまあ、いじる方も女の子相手にひどいと思う。

ただ、他にも下手したら命に係わりかねない事件多発!

・イチゴ水と葡萄酒を間違い、ダイアナ泥酔事件

・痛み止め薬混入クッキーを、お茶の席で提供してしまう事件

・髪の毛を緑色に染めてしまう事件

・友達と遊んでいるうちに、乗っている船が危うく転覆事件

・友達とのいらぬ意地の張り合いで、屋根から落ちる事件

・・・などなど、ざっと思い出しただけでもこんなに!

用心深さが足りないのでは?と思ってしまう。けれど、少なくともイチゴ水事件と、クッキー事件は、マリラの責任もあると思う。

(孤児院からアンを引き取ったのがマシュウ・クスバートとマリラ・クスバートの兄妹)

瓶を再利用して中身を入れ替えちゃうから、そういうことが起きるんだよ~アセアセ

「匂いでわかるだろう」などと、推測しないでラベルを貼りかえる等、リスク管理しておくべきだった。

・・・そんなこんなで、信頼が風前の灯だったアンだけど、挽回の転機は、ダイアナの幼い妹の急病だった。

以前の養家で、幼児たちの面倒を見ていたアンは、手慣れた看護で医者をも驚かせたんだよ。このシーンは、とても感動しました。

心配で泣いてしまうダイアナを勇気づけながら、てきぱきと看護する頼もしさ!

風変わりで癇癪持ちな女の子・・一旦株を下げておいて、一気に上げる爽快感にやられました。

 

大人の中でマシュウだけが一貫して、アンを慈しんでいたのが、希望の星でした。

すごく恥ずかしがり屋で、今で言うとコミュ障なおじさんだけど、「男の子じゃなかった」からと送り返したりもせず、アンの良い所を見出して大切にした。マリラも、後々はアンを自慢の娘って感じで絆を深めていくけどね。最初は冷たーいと思った。

不安定だったアンの葛藤を、マシュウだけは一瞬で悟ったのかな。

 

さて、赤毛のアンといえば、やはりアニメ名作劇場。

↓一覧をご覧ください。

1974年「アルプスの少女ハイジ」

1975年「フランダースの犬」

1976年「母を訪ねて三千里」

1977年「あらいぐまラスカル」

1978年「ペリーヌ物語」

1979年「赤毛のアン」

1980年「トム・ソーヤーの冒険」

1981年「不思議の島のフローネ」

1982年「南の虹のルーシー」

1983年「私のアンネット」

1984年「牧場の少女カトリ」

1985年「小公女セーラ」

1986年「愛少女ポリアンナ物語」

1987年「愛の若草物語」

 

・・・これらが、私の記憶に残る名作劇場で、本当に良い影響を与えてくれた、宝物のような作品です。

特にトム・ソーヤーからルーシーは、年齢的にも主人公と重なり、元気いっぱいな子供らしさに共感を覚えていました。

大自然や可愛い動物も、ポイント高かったです。

また、ハイジからペリーヌはリアルタイムではなく、再放送のイメージが強いです。

「赤毛のアン」放送時は小学校1年くらい。この時、私から見たアンは、たくさんの言葉を知っている年上のお姉さんという感じだし、そんなに生き物や大自然も出てこなくて、あまりついていけなかったんだ。

つまり、アニメ名作劇場の思い出において、リアルタイムと再放送の端境期にあり、興味を持てなかったこと。

それをひきずって、図書館で読んでもイマイチ共感できなかったのが、挫折ポイントだったな。

こうして今、読めて本当に良かった。

シリーズ続編は面白いのかな?ご存知だったら、教えてください。

 

 

 

 

「舞姫」森鴎外

学校の教科書で習って、何て美しい文章だろうと感動した「舞姫」。

ストーリーは何となく覚えているので、文体を味わいたくて読んでみました。

また、YouTubeで朗読を聴きながら、現代語訳を読んだりもしてみました。

名文は声に出しても美しいと言うけど、本当だね。感情の流れが目に見えるようで、その悲恋の物語に感動してしまいます。

 

主人公・豊太郎。将来有望なエリートで、国の某省の官命でヨーロッパ赴任。

もう、まんま森鴎外自身がモデルのようです。

豊太郎が、異国の地でエリスという可憐な踊り子と恋に堕ちる・・でも、その恋は許されない恋なんだよ~。こういう所が「浪漫主義」からスタートした森鴎外と言われる所以なのかな。

今と違って、個人よりも家や国に重きを置かれる明治時代。時代を考えると、かなりのセンセーショナルな作品だったのでしょうね。

 

何といっても魅力的なエリスの描き方。

16~7歳という若さ。金髪・碧眼、ほっそりしてあどけなく、めっちゃ可愛い。

性格はおとなしやかで、本を読んだりするのも好きな乙女。

それなのに、極貧生活のために、意に染まない「踊り子」という職業に身をやつしている。

華やかに着飾り化粧をしても、薄給で、ブラック企業・・。

こんな子が、道端で泣いていてさ、「私、今日にも明日にも、身売りされるんです」なんて言ってたら、ほっとけない感じですよね。

 

国や親のために、身を尽くして勉学に励んできた豊太郎が、ヨーロッパの自由な空気に触れ、自分の心は誰のため?という本質的な問いに気付いてしまった。

愛する女性を得て、器械的な自分を脱する代償に、約束されたエリート街道の名誉を投げ出さなければならない。

踊り子などという下賤な者と男女の仲になるとは何事!!と、バッシングの声にも苛まれます。

愛か栄誉か・・。

その苦悩は計り知れないものがあります。

それでも、ささやかながらエリスと二人生きていこうかなぁ・・・なんて思っていると、「駄目、駄目。せっかくの才能を、女がらみで捨てるなよ」と、友人・相沢謙吉が復活の道筋をつけてくれるのです。

タイミングがいいんだか悪いんだか、エリスは豊太郎の子を妊娠。

もう、頭の中が混乱すぎたのか、気絶して2週間ほども病床についてしまう豊太郎。

一方エリスも、相沢健吉から、「あいつ日本に帰るから別れてしまいなさい」とか告げられて、精神的に錯乱してしまう。

 

エリスのモデルとなったと言われるドイツ人女性は、日本まで鴎外を追ったそうです。

しかし、鴎外の家族、周囲の反対にも会い、ドイツへ帰国。そこからは、また新たに人生をスタートさせたようですが・・・すごい行動力。愛の力?

本当に素晴らしく磨かれた文章で、明治の時代に、なかなかのワールドワイドな活躍感。

ちょいちょい、「語学堪能なオレ」「なんか知らないけど、出来ちゃうオレ」感が漏れ出ているけど(笑)、本当に神童エピソードに事欠かない森鴎外だからしょうがない。

 

さあ、1月は忙しくなりそうだ。

2月11日~14日まで、代官山・ギャラリースペースKさんにて、グループ展に参加させていただきます。

「愛」をテーマにした作品展とのことで、私は直感的にイルカを描きたくなりました。

以前描いた、アクリルのイルカをさらに大きく描きたいのです。

どんな風に仕上がるか、自分でも分かりませんが、他にも展示したい作品がいくつかあり、準備中です。

コロナのこともあり、詳細は未定ですが、決まりましたらアップしますね。

 

また、今年も漢検を受けるため勉強中なのと、英語もちょっとずつ・・。

デッサンを教えている生徒さんのサポートももう一息だし、今年は外国文学ももっと読んでみようかなと。

読みたいマンガもたくさんあるしね。

一番の目標は、2021年も健康でありますように!