昨日は水彩教室で、珍しくキャンセルが相次ぎ、私一人で受講することに・・・先生を独占状態でぜいたくな時間でした〜
今回は洋書の古書をメインに色々なモチーフを組み合わせて・・・。
きっちりデッサンをとっていないので、所々歪んでいますが、そこはまあ「味」ってことで
植物の茎と背景の色をどんな風に塗り分けたら良いのか、難しい所でした。
落ち着いた雰囲気になって、気に入っています(*^▽^*)
エレナ先生の新作の天使さんがあまりにズキューンと可愛くて、美しくて一目惚れ
複製画を購入しちゃった
水彩の他にも、パステルなどでこのような天使画や美しい薔薇を描く講座も開いていらっしゃるので、ご興味ありましたらブログをご覧になってみてください→(Loselotus教室)
2月は夏目漱石に目覚めた月でした
「吾輩は猫である」を今さらながら初めて全部読んで・・・さらに今、漱石没後100年とかで書店からメディアから盛り上がっているので、すっかりハマってしまいました
写真の右上の本「先生と僕~夏目漱石を囲む人々~」(香日ゆら/メディアファクトリー)は漱石好きにはたまらない・・・そして、私のように、「あんまりよく知らない」「気難しいイメージ」という人も漱石を好きになってしまう、素晴らしいマンガ&エッセイです。かなりマニアックな内容ながらも笑えたり、泣けたり、本当にオススメです
今日は長ーくなるので、お忙しい方は読み飛ばしてくださいね
「吾輩は猫である」は、言わずと知れた猫目線で語られる小説で、夏目漱石のデビュー作。
難しい漢字が多くてすらすら読むとはいかなかったけど、何か馴染みのあるこの感覚・・なんだっけ??と考えたら・・・
「あっ!そうだ、落語っぽいんだ」と思い至りました。
夏目漱石自身が江戸っ子口調だったからか、落語好きだったのか分からないけど、立て板に水って感じでさらさらとした部分、そして語調を強めて熱弁するような部分との緩急、所々にちりばめられたユーモアなどが落語っぽい気がするんですよ
特に猫「吾輩」が、口に含んだお餅がとれずにじたばたするシーンは、声に出して読むと大笑いしてしまいます
小説家として頑張るぞ!みたいな意気込みじゃなく飄々とした感じなんですよね。
そりゃそーだ、周りから勧められて気晴らし程度に書いた小説がベースで、登場人物も友人知人、門下生などをモデルにしていて、若干、身内のウケ狙いもあったんじゃないかな~?
とはいえ・・・さすが、頭のいい人の文章展開ってこうだよなぁと思わせる、凄さがあります。
話があっちこっち行ってるようで、ちゃんと着地させるんですよね。
・・・猫なのに、やたら見識が高く、古今東西の知識・教養や当時の世相まで織り交ぜながら、皮肉たっぷりに人間を見ている「吾輩」・・でも、なぜか鼻につかない・・・だって猫だし
というか、猫の飼い主である苦沙弥先生もまた漱石自身をモデルにしているのは明らかなので、読者側からすれば自虐ネタみたいで、笑ってしまうんですよ。
言ってみれば、エリートで東京帝国大学の講師まで務めるような人が、こんなユニークな小説を書いたことでギャップが素敵!これが計算ならセルフプロデュースの天才ではないでしょうか
夏目漱石は胃弱でしょっちゅう胃の不調に悩まされていたというから、私も胃弱の端くれ(?)としてシンパシーを感じます
「吾輩は猫である」の中でも興味深いのが、「吾人の体内には四種の液が循環しておったそうだ・・・」と、東洋医学に少し通じるような話の一部があり、やっぱり色々な病を抱えて医療方面のことも調べてたのかなぁと・・・。でも、胃が弱いのに大食漢だったそうですが
また、当時の急速な欧米化が日本人を変えていく怖さに言及している点も、鋭いなぁと思いました。積極的、積極的・・ばかりが良いことか?自分で壁を作っては越え、また壁を作り・・・と疲弊していくようなものではないだろうか?
登場人物たちが、暇に任せて話をまぜっかえしたり、「そこ膨らますとこ!?」ってぐらい、ささいな話を広げたり、とにかく話が進まないなぁって所が時々出てくるんですよ。読んでる私がちょっとイライラした時・・・夏目漱石の「そう慌てなさんな。」というメッセージが込められている気がしました。のんびりした空気感をそのまま味わって、ゆっくり読書する時間をもちたまえみたいな。
それから、死生観・・・というのかな。
「吾輩」が時折訪れて交流のあった、美人猫の「三毛子」さんが、唐突に死んじゃうんですよ。
正確には、この世にもういないことを悟ったという表現ですが・・。
無沙汰をしているうちに、ある日唐突に訃報を聞くことってあるじゃないですか?
離れているうちに相手の近況が変わるのは、当たり前のことなのに、どこか不思議で虚しくて・・何とか意味づけようとするほど空しいけれど、うーむ・・って。
漱石自身も、身内や親友の死と、病弱な身で、「死」を身近に深く考えたことでしょう。
ラストの「吾輩」の、ほろ酔いで気持ち良い心持ちの中、もがくのをやめてこの世と別れるシーンは、「三毛子さん」の死からつながっているような、気がしました。
・・・この読書感想は私の個人的な見解ですので、ご了承くださいね
「エンサイクロペディア・夏目漱石」(洋泉社)も、勉強になりました。
さっきも書いたように、胃弱なのに大食漢だった漱石の、明治時代のグルメについてとか面白かった
また作品ごとの、同時代の批評も「へぇ~!」意外だったりして面白いです。
気難しい文豪というイメージだったけど、不思議と人をひきつける魅力のある人のようで、その魅力は没後100年の今でも健在のようです。
特に手紙です!すごく筆まめなんですね。心に響く手紙ってこういうものかと・・。
9月に新しく記念館がオープンするそうなので、(新宿区立漱石山房記念館)きっと行きますぞ〜
長々と読んでくださってありがとうございます