今日の一冊は『楽園』(宮部みゆき著)です。同じ作者の『模倣犯』の後日談とも
関係者の再生の物語ともいえます。『模倣犯』は読むのがつらい話でしたが、
逆境に立ち向かう健気な少年と人生の重みを感じさせる不屈の老人の存在に
励まされるように読み通しました。『楽園』は模倣犯の事件に巻き込まれたライターの女性が主人公。
『模倣犯』ほどつらくなかったけど、宮部みゆきの描く「闇の女性(徹底的な自己中で
親族だろうと他人だろうと利用しつくす)」がこれにも登場。出てくるたびに恐怖を感じます。
 
2008年05月09日
宮部みゆき『楽園』を読みました。

映画化もされた話題作『模倣犯』の前畑滋子(ライター)が再び
事件に立ち向かいます。最初は事件とは思えないような、
些細な訴えー息子を事故で亡くした女性の話を聞くだけだった
滋子は、『模倣犯』の事件から立ち直るために女性の「弔い」に
つきあう気になるが…。

宮部さんの描く少年像はいつも胸に迫ります。今回はもうこの世に
いない少年の話ですが、母親にとっては彼と過ごした年月だけが
楽園で…。一方、聡明さとはなんだろうと考えさせられる作品
でもありました。