スローライフ~第八章:自由な君へ…… 04 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

「ポテト美味しいね!」
 自由が、そう言って僕の口の中にポテトを放り込む。
「うん。
 美味しいね」
 僕は、うなずく。
「ポテト美味しいよ」
 自由が、再び僕の口にポテトを放り込む。
「うん。
 美味しいね」
「たんと食べて大きくなるのよー」
「自由、僕そんなに食べれないよ」
「ポテト美味しいよー」
 自由が、どんどん僕の口にポテトを放り込む。
「自由……?」
「パパ、ママの臭がする。
 ママと会った?」
「え?」
 僕の心臓が一瞬だけ止まる。
「自由、ママのお顔覚えてないけど匂いは覚えているよー」
「会ってはないよ……
 見かけただけ」
「そう……
 自由も会いたいな」
「自由のママはパパだよ。
 僕は自由のママパパだよ」
 こんな言葉で騙せるとは思ってはいない。
 でも、そう誤魔化すことしか出来なかった。
「パパ、目覚めたの?」
 そして、変な誤解を産んでしまった……
「目覚めてないから……」
「空さん見つかったの?」
 翔太くんママが僕に尋ねる。
「うん」
「他の男の人といた?」
 自由が、あっさりと尋ねる。
「え?」
 僕は、耳を疑った。
「やっぱり……
 ママは、男好きだって噂があったから……」
「そんなことないよ?」
「そして、パパはすぐに表情に出るんだからー」
 自由が、そう言って笑う。