「ポテト美味しいね!」
自由が、そう言って僕の口の中にポテトを放り込む。
「うん。
美味しいね」
僕は、うなずく。
「ポテト美味しいよ」
自由が、再び僕の口にポテトを放り込む。
「うん。
美味しいね」
「たんと食べて大きくなるのよー」
「自由、僕そんなに食べれないよ」
「ポテト美味しいよー」
自由が、どんどん僕の口にポテトを放り込む。
「自由……?」
「パパ、ママの臭がする。
ママと会った?」
「え?」
僕の心臓が一瞬だけ止まる。
「自由、ママのお顔覚えてないけど匂いは覚えているよー」
「会ってはないよ……
見かけただけ」
「そう……
自由も会いたいな」
「自由のママはパパだよ。
僕は自由のママパパだよ」
こんな言葉で騙せるとは思ってはいない。
でも、そう誤魔化すことしか出来なかった。
「パパ、目覚めたの?」
そして、変な誤解を産んでしまった……
「目覚めてないから……」
「空さん見つかったの?」
翔太くんママが僕に尋ねる。
「うん」
「他の男の人といた?」
自由が、あっさりと尋ねる。
「え?」
僕は、耳を疑った。
「やっぱり……
ママは、男好きだって噂があったから……」
「そんなことないよ?」
「そして、パパはすぐに表情に出るんだからー」
自由が、そう言って笑う。