僕と自由と翔太くんとこの母子は、10時くらいに公園に向かった。
すると既にそこには、海夜さんがいた。
「あ、海夜ねーちゃんだー」
自由が、僕から手を離し走る。
そして、コケる。
「あ……コケた」
海夜さんが、駆け寄る。
「自由大丈夫?」
僕は、そう言って自由に手を差し伸べると自由はニッコリと笑う。
「自由、泣かないよ?
偉い?」
「偉いぞ、自由」
僕は、そう言って自由の頭を撫でる。
「相変わらず自由ちゃんには甘々やなぁー」
海夜ちゃんが、ため息混じりにそう言った。
すると百道くんが、ソフトクリームを2つ持ってやってくる。
「お、小野寺?
もう来たのか?」
百道くんが、驚いた表情で僕たちの方を見ている。
「30分前行動だよ」
「1時間前やんけ!」
海夜さんが、鋭いツッコミを入れる。
結局、百道くんが持ってきたソフトクリームは、自由と海夜さんが食べることになった。
「百道くん、ごめんね。
君のソフトクリームなのに……」
僕は、小さく謝った。
「気にするなって」
百道くんがクスリと笑う。
「なんだ?
お前らもう来ているのか?」
そう言って現れたのは滋くんと美樹さんだった。
「あ……
私たちが一番最後?」
静香さんと透くんが現れる。
「とりあえず、全員揃ったようだな。
屋台のおやぢには、話をしてある。
存分にたこ焼きを食べてくれ」
滋くんが、そう言って案内してくれたのは、公園の隅にあるたこ焼き屋の屋台だった。
「ここのたこ焼き激ヤバだから」
美樹さんが、自信満々にそう言った。
「たこ焼き美味しい!」
翔太くんが一番最初に口に運んだ。
「あらあらあらあら。
ホント、美味しいわねぇ」
翔太くんママも絶品だ。
「カリカリで中とろり!
もう最高のたこ焼き屋でー」
海夜さんも褒めている。
ただひとり自由だけは、食べれないでいた。
「自由どうした?」
「自由、冷たいたこ焼きが好き」
自由が、そう言うと滋くんが自由の目線まで肩を落として尋ねた。
「口に合わなかったか?」
「自由のお口にゃーにゃーなの」
「にゃーにゃー」
「自由は、にゃーにゃーの舌を持つ女なの」
「ああ。なるほどそういうことか」
茂くんには伝わったらしい。
そう、自由は猫舌なのだ。
だから、熱いものは実は苦手だったりもする。
「この子って、もしかして小野寺先生のお子さんですか?」
透くんが、そう尋ねると僕はうなずいた。
「うん。
そうだよ」
「綺麗な奥さんにかわいいお子さんがふたり……
リア充ってやつですか?」
静香さんが、そう言うと翔太くんママが笑う。
「私、自由ちゃんパパの奥さんじゃないよ」
「あ、失礼しました……」
静香さんが、小さく謝る。
「大丈夫。
よくあることだから……」
翔太くんママがクスリと笑った。
僕たちは、このたこ焼きパーティーを昼すぎまで楽しんだ。