そして、次の日。
僕は、自由を保育園に預けた後、まっすぐと職場である学校に向かった。
教室に入ろうとすると黒板消しが仕掛けられている。
俺は、静かにその黒板消しを取ろうとしたら……
バネを緩くしたネズミ捕りが僕の手に……
まさか、こんなトラップを百瀬くんが考えれるなんて……
僕は、涙目で百道くんの方を見る。
百道くんは、首を横に振っている。
そして、海夜さんがくすくすと笑っている。
僕は、瞬時に悟った。
この仕掛を仕掛けたのは、百道くんじゃない。
海夜さんだ。
海夜さんに違いない。
それを見た滋くんは、ため息を付き美樹さんが呆れた顔で見ている。
透くんは、本を読み静香さんは心配そうに僕の方を見ている。
それ以外の生徒は、他のことをしている。
勉強したりゲームしたり携帯をいじったり……
ホント自由だ。
「情けない……
こんなブービートラップに気づかないとは、お前本当に教師か?」
滋くんの言葉が胸に刺さる。
「教師の前に僕は人間だ。
騙されることくらいあるよ」
僕は、手をさすりながらそう言った。
「アンバランサーだっけ?
あれは作動しなかったのか?」
百道くんが、そう言うと僕は答える。
「あの状況でアンバランサーが作動すると僕も怪我するからね……
そういう時は、作動しない仕組みになってるんだ」
それを聞いた海夜さんが、言葉を放つ。
「アンタ、ここが戦場だったら死んでるで?」
「ここは戦場じゃないから大丈夫だよ」
「アンタ、相変わらず冷たい反応やなぁー」
海夜さんが、ため息をつく。
「さぁ、席に座って。
出席を取るよ」
僕は、そう言って出席を取った。