スローライフ~第五章:自由のために 01 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

「パパー」
 自由が、そう言って僕に駆け寄る。
「どうしたんだい?
 自由」
 僕は、そう言って自由に目線を合わせる。
「自由ねー
 しょーたくんにハンバーグを作るのー」
「え?」
「ハンバーグを作るのー」
 自由がニコニコ笑いながらそう言った。
「どうしてだい?」
「自由は、死ぬのでしょ?
 死ぬってバイバイするってことでしょ?
 それってしょーたくんともバイバイするのでしょ?」
「うん」
 自由の死への知識。
 どこで調べたのだろう?
「だからね、自由がバイバイする前にしょーたくんにハンバーグを作るのー」
「そっか……」
「うん!」
 自由は、元気に笑う。
「自由、死ぬってどこで調べたの?」
「タブレットだよー」
「え?」
 自由は、そう言ってタブレットを僕の前に出した。
 そうだね。
 今は、これでなんでも調べられる。
 しかも、ローマ字じゃなくても入力できるしね。
「漢字いっぱいでわからなかったけど。
 知恵袋で、質問したら親切な人が教えてくれたよー」
 知恵袋か……
 時代だな。
 自由が、そう言ってひらがなばかりのその質問と回答の知恵袋のそのページを見せてくれた。
 本当だ。
 質問にも回答にも全てひらがなで書いてあるや。
 アカウントは、僕のだね。
 ログインしたままだったからか……
 質問に答えてくれた人にお礼を言いたいところだけど。
 ベストアンサーはもう、自由が決めていた。
 御礼の言葉もひらがなばかりだ。
「よし!
 とびっきりの美味しいハンバーグを作ろう!」
「うん!」
 自由はとびっきりの笑顔を見せてくれた。