ニートライター亜金の事件簿・改~第八章:亜金の就職04 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法



――山元神社

亜金が、山元神社の長い階段を登り終えるとそこには南と遊ぶ由香と薫がいた。
亜金の姿を見た薫は、俺の方に駆け寄る。
そしてつまづく。
でも、すぐに起き上がると亜金方に駆け寄り亜金の脚を抱きしめる。
「薫ちゃんどうしたの?」
亜金が、そう言って薫の頭を撫でる。
「捨てられたと思ったんだって」
由香の言葉に亜金は目を丸くさせる。
「あー。
 そっか、最近会ってなかったからね……」
「そうですよ?
 薫ちゃん、亜金さんが来なかったからずっと元気がなかったんですから……」
南が、そう言って苦笑いを浮かべる。
「そっか、ごめんね……
 薫ちゃん」
薫は、静かに頷く。
「あと由香ちゃんもごめんね」
亜金が、そう言葉を続けると由香は目をそらす。
「別に……私は捨てられることには慣れているから……」
由香が、そう言って亜金から目をそらす。
「貴女が、由香ちゃんね……?」
チネッテが、由香に視線を合わせる。
「お姉さんは……?」
由香がチネッテの目を見る。
すると由香がクスリと笑う。
そしてチネッテも笑う。
「なにをしてるの?」
亜金が、尋ねる。
「ちょっとお話をしてたの」
チネッテが笑顔で答える。
由香も嬉しそうに答える。
「私、私と同じ能力の人って初めて見た……!」
由香のその表情は、どこか嬉しそうだった。
「あ、でね。
 チネッテさん……」
由香は、そう言うとチネッテは由香の方を見る。
そしてふたりで心での会話をはじめる。
「おーい。
 思っていることは口に出さないと伝わらないぞー」
亜金が、そう言うと由香が言う。
「今は、ナイショ話してるの」
由香はそう言うとチネッテとの会話を楽しんだ。
薫が亜金の脚を引っ張る。
「薫ちゃん?」
薫が、じっと亜金の目を見る。
そして、恥ずかしそうにボールを亜金の目の前に出す。
「ボールで遊ぶの?」
薫は小さく頷いた。
「よし。
 あっちは、あっちで楽しんでいるからこっちはこっちで楽しもう」
亜金は、薫とキャッチボールして遊んだ。