ニートライター亜金の事件簿・改~第七章:MTTミンナの事情06 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法



――モルツビル跡地・20時30分

「来たぞ」
清が、大きな声を出す。
すると下着姿で猿ぐつわをされた直美と共に橘が現われる。
「爺さん、本当にひとりだろうな?」
「ああ……
 だから、早く直美を……
 直美に服を着せ自由にしてやってくれ!」
清は、涙目で橘に頼む。
「ダメだね」
それを橘は断った。
「よく見たらさー
 この女、良い体してるじゃん?
 胸とかやわらかいしさー」
橘はそう言って、直美の胸を揉んだ。
直美は、抵抗しようとするが橘の能力、影縛りにより動けない。
「直美に何をした?」
「影縛りさ……
 最近、また新しい能力を手に入れてな……
 それで色々遊んでいたんだ。
 動けない女を犯すのも楽しいもんだぜ?
 見てみるか?孫娘。
 いや、血のつながらない孫なんだよな?
 じゃ、普通の良い女のレイプショー。
 考えるだけでゾクゾクするだろう?」
橘は、ケラケラ笑い直美のブラジャーのフォックを外した。
「そこまでだ」
その声と共に銃声が響き渡る。
「威嚇射撃か……
 余裕だな?」
橘が、ゆっくりと視線を移す。
啓司が銃を向けて橘を睨んでいた。
橘が、直美から離れた瞬間、玉藻が素早く直美の体を捕まえそのまま清の後ろに立った。
「直美!直美!」
清は、直美の猿ぐつわを外すと直美は涙を流す。
「お爺ちゃん、お爺ちゃん、お爺ちゃん!」
直美は、涙を長し清の胸に飛び込んだ。
「もう大丈夫だよ」
御幸がそう言って、自分のジャケットを直美の肩の上に乗せる。
「爺さんは戦力外……
 3対1か……
 まぁ、これがあれば余裕だな」
橘は、そう言って銃を取り出す。
そして問答無用で銃を放つ。
銃弾は、御幸に向かっていた。
しかし銃弾は、御幸に当たることはなかった。
吾郎が、御幸の前に現れ静かに橘を睨む。
「無駄だよ」
吾郎の能力、エアーズポケットにより銃弾を別空間に移動させたのだ。
「銃弾が消えた?」
橘が、首を傾げる
「銃弾は、返すよ」
吾郎が、そう言うと銃弾が橘の方に向かう。
しかし、銃弾は橘に当たることはなかった。
銃弾が、雷により落とされる。
「苦戦しているようですね」
月六が、そう言って現れる。
「5対2か……
 余裕だな!」
橘が、そう言うと地面に手を付けた。
「影縛り!」
橘のその声と共に月六以外の全員の動きが止まった。
「5人ですか。
 見ない顔が1人、そして見知った顔が4人。
 私の計算では、1人足りないようですが……」
「ああ、亜金がいねぇ!
 ハイジに殺されたか?」
橘がケラケラ嬉しそうに笑った。
橘と月六が、ゆっくりと清の方に近づく。
そして、橘が清の頭に銃口を向けた時だった。
「亜金君、今だ!」
吾郎のその言葉と共に吾郎の技、エアーズポケットにより亜金が現われる。
亜金は、月六を蹴り飛ばし橘の顔面に一撃拳をぶつけた。
「いたな!
 亜金!」
橘は、嬉しそうな声を出しながら亜金の方を見る。
そして橘は、亜金にも影縛りを使う。
「これで全員チェックメイトだ」
橘が、笑いながら再び清に銃口を向けた。
「バーカ」
亜金が、鼻で笑いながら橘の方を見る。
「なんだと?」
亜金も、鼻で笑うと亜金の影が橘に向かって襲い掛かる。
「知ってる?
 影は何処まで行っても俺から離れないんだ」
亜金の影が、橘の体にまとわりつく。
「ならば、こちらからも仕掛けます」
月六が、亜金の体に電気を浴びせる。
亜金の体は、電気をまといつつそれを月六に浴びせる。
「私の、電気までも己の武器に変えますか……」
月六が、そこまで言って険しい顔をしたあとニッコリと笑う。
「全員止まれ!」
傘を差したひとりの少女が、静かに現れる。
「もう、何をちんたらやっているのかと思ったら……
 こんなところでこんな雑魚たちに足止めを食らっていたのね」
少女が、ため息交じりにそう言うとさらに言葉を続ける。
「クララがたとえてあげる。
 もしもクララが100年色褪せなダイヤモンドなら貴方は、その辺に落ちている砂利ね!」
クララは、そう言うと橘の方を見る。
「クララ様、すみません」
「いいのよ。
 ハイジも捕まってしまったみたいだし……
 別に作戦が失敗したってことでもなさそうだし」
クララは、幼い容姿で笑う。
「……はい」
「絶対王政の前に勝てないものはないわ。
 さぁ、勤。
 さっさとそこのお爺ちゃんを殺してしまいなさい」
「はい」
橘は、ゆっくりと歩き清の前に立つ。
そして、清の頭に銃を放つ。
「お爺ちゃん!」
直美が、涙を流して叫ぶ。
「ソウルイート完了」
橘は、そう言ってニヤリと笑う。
「さぁ、お仕事はおしまい。
 帰るわよ」
クララは、小さく笑うと橘と月六を連れて姿を消した。