この子13~第九章:闇を喰らう13 | ニート脱出大作戦β

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~ニートから抜け出す108の方法



「まさに鶴の一声だね」


13が、そう言うと遥が笑う。


「私の美貌はまさに鶴ってことかしら?」


13は、何も答えなかった。


「さぁ、亜金の元へ急ごう」


清空が、そう言って屋敷の門をくぐる。


「あ、危ないから私が先頭に立つわ」


遥がそう言って先頭を歩いた。
屋敷の至る所にセキュリティがあったが遥が先頭を歩くことで、そのセキュリティが解除される。


「なんか凄い厳重に警備されているんっすね……」


後藤が、そう言うとタナトスが答える。


「そりゃ国家の命運がかかっている人の家の1つだもの。
 こんなの手薄な方だわ……
 ウチの春雨研究所とかもっと凄いんだから……」

「だったら研究所ってもっと厳重な警備があるんじゃないの?」


13がそう言うと遥がその質問に答えた。


「猫鍋研究所は警備は薄いわ……
 父様がいる……
 それだけで警備は十分だから……
 ただ建物自体が父様の力に耐えれなかったのよ」

「ふーん」


13は、興味無さそうに頷いた。


「さぁ。
 そろそろ亜金がいる部屋よ」


遥が、そう言ってドアを開けると亜金がそこにいた。
亜金の他に玉藻と他の女性たちが数人も一緒にいた。


「亜金!
 迎えに来たぞ!」


清空が、亜金にそう言うと目を丸くさせる。


「みんな……
 どうして?」

「あれ……
 意外と早く亜金のいる場所にこれたね……
 作戦会議の意味とかなかったんじゃ……」

「見つけたイコール保護とは限らないわ」


遥がそう言うと玉藻が、無言で尻尾からナイフを取り出す。
そして、それを後藤の方に向けて投げる。
それを無が、素手で受け止める。


「いきなりだな……」


無は、そう言ってナイフを玉藻に向かって投げ返す。


「亜金は、返さない」


玉藻が、13たちを睨む。
亜金は、何かを言いかけたが他の女性に連れられ姿を消した。


「遥……」


美幸が、遥の名前を呼んだ。


「はい。
 お姉さま……」

「玉藻をお願いできる?
 でも、殺しちゃダメだからね」

「はい!」


遥は、頷くと玉藻との距離を縮めた。