「まさに鶴の一声だね」
13が、そう言うと遥が笑う。
「私の美貌はまさに鶴ってことかしら?」
13は、何も答えなかった。
「さぁ、亜金の元へ急ごう」
清空が、そう言って屋敷の門をくぐる。
「あ、危ないから私が先頭に立つわ」
遥がそう言って先頭を歩いた。
屋敷の至る所にセキュリティがあったが遥が先頭を歩くことで、そのセキュリティが解除される。
「なんか凄い厳重に警備されているんっすね……」
後藤が、そう言うとタナトスが答える。
「そりゃ国家の命運がかかっている人の家の1つだもの。
こんなの手薄な方だわ……
ウチの春雨研究所とかもっと凄いんだから……」
「だったら研究所ってもっと厳重な警備があるんじゃないの?」
13がそう言うと遥がその質問に答えた。
「猫鍋研究所は警備は薄いわ……
父様がいる……
それだけで警備は十分だから……
ただ建物自体が父様の力に耐えれなかったのよ」
「ふーん」
13は、興味無さそうに頷いた。
「さぁ。
そろそろ亜金がいる部屋よ」
遥が、そう言ってドアを開けると亜金がそこにいた。
亜金の他に玉藻と他の女性たちが数人も一緒にいた。
「亜金!
迎えに来たぞ!」
清空が、亜金にそう言うと目を丸くさせる。
「みんな……
どうして?」
「あれ……
意外と早く亜金のいる場所にこれたね……
作戦会議の意味とかなかったんじゃ……」
「見つけたイコール保護とは限らないわ」
遥がそう言うと玉藻が、無言で尻尾からナイフを取り出す。
そして、それを後藤の方に向けて投げる。
それを無が、素手で受け止める。
「いきなりだな……」
無は、そう言ってナイフを玉藻に向かって投げ返す。
「亜金は、返さない」
玉藻が、13たちを睨む。
亜金は、何かを言いかけたが他の女性に連れられ姿を消した。
「遥……」
美幸が、遥の名前を呼んだ。
「はい。
お姉さま……」
「玉藻をお願いできる?
でも、殺しちゃダメだからね」
「はい!」
遥は、頷くと玉藻との距離を縮めた。