この子13~第九章:闇を喰らう05 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法



「あれ?
 十五は、知らなかったんだっけ?
 俺らは、みんな呪い憑き。
 まぁ、言ってしまえば超能力を持っているんだ」


後藤がそう言うと十五は、わかららないままも頷いた。


「まぁ、信じれないだろうがな……」


無が、そう言うと十五は何度も頷いた。


「でも、どうやって亜金を奪還するんでやんすか?」


プレゲトンが、13に尋ねた。


「なんにも考えてないよ。
 力づくで奪い返すしかないね」

「そうだな……
 考えるよりまずは行動と言う考えには賛成だが……
 相手は猫鍋研究所だろう?
 敵に回すとお前は良いかも知れないが俺たちは困る」


猫鍋研究所の道長博士の娘が、13たちが通う猫鍋高校の理事を務めている。
その娘の名前は、猫鍋 美幸。


「だろうね……
 だから、僕ひとりで助けに行くよ」

「……そういう訳にもいかんだろう?」


無が、13の言葉に即答した。


「そう?」


13が、首を傾げる。
すると今度は、後藤が答えた。


「仲間を失うのはごめんだね」

「んー。
 でも、君たちは学校を辞めたくないだろう?」

「そうだけど……
 でも、亜金を助けたいって気持ちは同じだ」


後藤が、そう言うとプレゲトンが口を開く。


「私、亜金の為なら学校を辞めてもいいでやんすよ?」

「それは、ダメ!」


その声に13たちは驚く。
清空の声だったからだ。


「清空さん?」


13は、清空の方を見ると見知らぬ女性と白銀が傍にいた。


「美幸先生!」


プレゲトンが目を丸くさせる。


「じゃ、この人が理事長?」


13が、後藤に尋ねた。
後藤が頷いた。


「亜金奪還作戦をこれより開始するぞ!」


清空が、そう言うと美幸が声をあげる。


「あのバカ親父、亜金を独り占めする気なのよ。
 そんなの許せない!」

「と言う訳で利害が一致しているから、今回はこの理事長は味方だ」


清空が、小さく笑うとプレゲトンが安堵のため息をついた。


「じゃ、安心でやんすね……」