この子13~第九章:闇を喰らう04 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法



「戻れないかも知れないよ?」


13が、そう言うと亜金が言った。


「俺が戻らないと玉藻が酷い目に合うから……」

「亜金……」


玉藻が、小さく呟く。


「わかった。
 止めないよ」


13は、ため息をついた。


「ありがとう」


亜金は、そう言うと部屋を出た。
玉藻もゆっくりと部屋を出た。
玉藻は、亜金を連れて姿を消した。


――次の日


「……で、そのまま亜金を帰らせたのか?」


無が、13に尋ねる。


「うん。
 まぁ、亜金に危害を与えるのなら助けに行くだけだよ」

「簡単に行くと思うなよ?
 相手は猫鍋研究所なんだろう?」


無が、13を睨む。


「でも、亜金が行かないとその玉藻って子が酷い目にあうんでやんすよね?」


プレゲトンが、そう言うと13が静かに頷いた。


「そうだね」

「青春でやんすね」


プレゲトンが笑う。


「と言うか、亜金が酷い目に合うとかどうやってわかるんだ?」


後藤がそう言う。
すると13が、後藤の方をじっと見る。
プレゲトンもじっと見る。
そして無が笑う。


「ああ、そういうことか……」

「どういうこと?」


十五が、そう言うと無が答える。


「後藤の千里眼で、亜金を観察するってことだ」

「千里眼?」


十五が首を傾げる。


「超能力みたいなものだよ」


13が、そう言ったが十五にはあまり理解できなかった。