「戻れないかも知れないよ?」
13が、そう言うと亜金が言った。
「俺が戻らないと玉藻が酷い目に合うから……」
「亜金……」
玉藻が、小さく呟く。
「わかった。
止めないよ」
13は、ため息をついた。
「ありがとう」
亜金は、そう言うと部屋を出た。
玉藻もゆっくりと部屋を出た。
玉藻は、亜金を連れて姿を消した。
――次の日
「……で、そのまま亜金を帰らせたのか?」
無が、13に尋ねる。
「うん。
まぁ、亜金に危害を与えるのなら助けに行くだけだよ」
「簡単に行くと思うなよ?
相手は猫鍋研究所なんだろう?」
無が、13を睨む。
「でも、亜金が行かないとその玉藻って子が酷い目にあうんでやんすよね?」
プレゲトンが、そう言うと13が静かに頷いた。
「そうだね」
「青春でやんすね」
プレゲトンが笑う。
「と言うか、亜金が酷い目に合うとかどうやってわかるんだ?」
後藤がそう言う。
すると13が、後藤の方をじっと見る。
プレゲトンもじっと見る。
そして無が笑う。
「ああ、そういうことか……」
「どういうこと?」
十五が、そう言うと無が答える。
「後藤の千里眼で、亜金を観察するってことだ」
「千里眼?」
十五が首を傾げる。
「超能力みたいなものだよ」
13が、そう言ったが十五にはあまり理解できなかった。