パンダがでっかい夢をみた。
それは、夢だった……
それは所詮、夢だった。
叶わない夢だった。
叶うはずの無い夢だった。
叶ってはいけない夢だった。
パンダの夢は終わった。
いい夢をありがとう。
パンダは知らない誰かに。
お礼を言った。
ありがとう……
お礼を言っているのに……
なぜか涙がでた。
そして後悔をした……
その夢を見たことを……
見なければよかったと……
パンダは思った。
もう夢を見ないと……
パンダは誓った……
もう後悔しないと……
しかしパンダはある朝……
出会った。
一匹のウサギと……
パンダが気づいた時……
ウサギは、いつもパンダの傍にいた。
傍にいてパンダを励ました。
励ましてパンダを勇気付けた。
パンダは思った。
なぜこんなことを……
ウサギは、僕にするのだろうと……
不思議だった。
不思議でたまらなかった。
あるときパンダは聞いた。
ウサギになぜ良くしてくれるのかと
ウサギは答えた。
「秘密」と……
意地悪だと思った。
でも、嬉しかった。
怖かった。
返ってくる言葉が……
続いて返ってきた。
その言葉は……
「○〇」
だった。
その言葉で、パンダは幸せになった。
しかし、思い出した。
昔誓った言葉を、そのことをウサギに言うと……
ウサギは怒った。
そしてウサギは、パンダに言った。
『叶うはずのない夢なんてないよ』
パンダは自分が恥ずかしくなった。
そしてパンダは誓いを破った。
そしてパンダは、新たに誓った。
『強くなろう』
自分を思ってくれる人が居るのだから頑張ろう。
そう思った。
でも遅かった。
それに気づくのに……
パンダは今までの事を、後悔した。
でも遅かった。
パンダは願った。
パンダはずっとこのままで居たい。
永遠に永遠に。
そして、その願いは叶わなかった。
気づくとうさぎはいなかった。
パンダのまえからいなくなった。
探したけど、探したけど……
見つからなかった。
でも不思議と寂しくなかった。
でも不思議と涙はでなくなった。
でも不思議と心が痛くない。
でも不思議と体が動かなかった。
でも不思議となにも聞こえなかった。
そして、パンダは何処かへ行った。
誰も知らない何処かへ……
パンダはでっかい夢を見た。
それは、それは、でっかい夢だった。
叶わない夢だった。
(叶う夢だった)
叶うはずの無い夢だった。
(叶ってしまった夢だった)
叶ってはいけない夢だった。
(叶ってもいい夢だった)
パンダの夢は終わった。
パンダの夢は始まった。
パンダは知らない誰かに御礼を言った。
『ありがとう』