今日は、必尿器科に行ってきました。
そして、由香さんもついてきました。
「また、有給?」
「うん♪」
由香さんは、万面の笑顔で答えました。
その後、先生とのご対面。
「尿が出ないんですか?」
「はい
尿意はあるのですが、出ません……」
その旨を伝えると、先生は、俺の膀胱のエコーを取りました。
「うわー
溜まってるなぁ……
280程溜まっている」
先生、それって“リットル”ですか?
それとも“デシリットル”ですか?
そんな質問する余裕はなく、尿意があるのに尿が出ない苦しみと闘っていました。
そして、前立腺の触診へ……
「はい、ズボン脱いで下さい」
「え?」
「はい、ズバッと!」
先生は、そう言うと由香さんや看護師さんが居るのにも関わらず、ズボンを下ろしました。
「はい、膝を腕で掴むようにして……」
そして、ズボズボズボっとお尻の穴へ指を突っ込みました。
痛い痛い痛い……
ローションは、塗られてはいるはずなのですが、痛かったです。
誰ですか、痛くないなんて言ったのは……
「あー
前立腺が腫れているねぇ……」
そして、薬を三種類出して貰う事になりました。
そんな感じで病院を終え、外に出ると……
「今日は、猫さんの部屋に行っても良い?」
「いいけど……
何もないよ?」
「猫さんの事が知りたいな……
卒業アルバムとかも見たいし……」
「わかった
それじゃ、行こうか♪」
「うん♪」
俺が、手を出すと由香さんはそれに応じるように俺の手を握りしめました。
そう、これで物語が終わり……
そして、物語は最初の一ページへとつながるのだ……
Haruさんと出会い、はるさんと出会い、そして由香さんと出会った。
少し遠回りしたけれど……
俺は、由香さんと出会えてよかったと思う。
大切な人を失ってしまったけど……
この出会いを大切にしたい……
そして、俺は思った……
もう逃がしたくない……
と……
おしまい
※この物語は、フィクションです。
実在する人物・団体とは、一切関係ありません。