そして物語は終わる(中編) | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

ホテルに着いた時、時計の針は深夜の0時を過ぎていた。


「ここなら大丈夫……」

由香さんは、ラブホテルの扉を閉めるとそう言いました。


「私ね、実は警察官なの」

「は?」


俺は、突然の由香さんの告白に驚きました。


「今まで、騙してて、ゴメン!」


由香さんは、手を合わせて俺に謝りました。


「そしてね、事件は解決に向かっているの……」

「待って由香さん
 俺には、何の事かさっぱり……」

「順に話すね
 Haruさんとはるかさんを殺したのは杉山
 尾上さんを自殺に追い込んだのもね……」

「え?」


ホテルの扉が激しく開けられる。

 ドン!

姿を現したのは、杉山だった。


「由香さんどういう事?」

「話は、後でね……」

「俺は、お前みたいな女が大嫌いだ!」


杉山はそう言うと、銃口を由香さんに向けました。


「奇遇だね
 私も、貴方のような男は嫌いよ」


由香さんもそう言って、銃を取り出し杉山に向けました。


「お前みたいな女は、男をダメにする
 だから、俺が殺すんだ」

「支離滅裂ね
 薬のやりすぎじゃないかしら?」


パン!

由香さんの挑発で、杉山が銃を撃った。
弾は、俺のも由香さんにも当りませんでした。

キーンと、耳鳴りがする……

近くで、銃を撃たれるとこんなのになるんだ……

そして、その音で周りの部屋の人達が顔を出し……
そして、悲鳴をあげてパニックになる……
全てがスローモーションのようにゆっくりと動き出した。

何が起きているのか理解できない。
でも、起きている事の把握は出来た。
それは、今、目の前で大変な事が起きているという事だ……

その音を合図とばかりに、杉山は、口から血を吐きそしてその場に倒れた。

俺の頭は、さらにパニックになりました。


「由香さん撃ったの?」

「私じゃないわ……」

由香さんは、首を横に振りました。


※この物語は、フィクションです。
 実在する人物・団体とは、一切関係ありません。