手巻き寿司 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

さてさてさてさてさて……

今日も、由香さんに呼び出されました。
そして、その場に居たのは……

由香さんでした。


「猫さん発見♪」


いつもの如く、由香さんは、俺の胸にぴったりと抱きしめてきました。
とりあえず、俺も抱きしめ返してやりました。


「え?え?え?
 今日の猫さん強引?」

「今日は、離しませんよ……」

「えっと、どういう事かな?」

「今日は、別の人とバトンタッチとかないですよね?」

「う、うん
 ないよ……」

「そ、そう……
 良かった……」


俺は、ゆっくりと手を放した。
でも、由香さんは離れてくれません。


「胸がドキドキしてるねー
 なんか、楽しい♪」

「俺は楽しくないです……
 そろそろ離れて下さい、視線が痛いです」

「つまんなーい」


由香さんは、そう言うと口を尖らせました。


「今日はね、私の家で、手巻きすしパーティーをしまーす」

「実家ですか?」

「私は、独り暮らしでーす」

「じゃ、南さんや尾上さんが居るとか……?」

「ざんねーん
 私と猫さんの二人だよー」

「そ、そうですか……」

「じゃ、私の家にしゅっぱーつ」


由香さんは、強引に俺の手を引っ張り車の中へ入れました。
そして、そのまま由香さんのマンションへ……

ドキドキしました。


部屋は、思ったより綺麗で、ぬいぐるみがいっぱいありました。


「下着とか隠してあるから、探しても無駄だよー」

「探したりなんてしてませんよ……」

「ふーん
 まぁ、いいや♪
 ご飯食べよう♪」


由香さんは、そう言うと手巻き寿司セットを広げ、二人で食べました。
美味しかったです。
部屋の中だし、杉山も居ない……

「場所、わかったよね?」

「え?」

「私の家」

「あ、はい
 意外と俺の家の近くですよね」

「うんうん」

「じゃー
 いつでも遊びに来てね♪」


由香さんは、そう言うとニッコリと笑いました。

※この物語は、フィクションです。
実在する人物・団体とは、一切関係ありません。