『えっと、大神君・・・
緊張するのは、わかるけど、私が紹介してから君が自己紹介する方がいいんじゃないかな?』
担任の村井亜由は、おどおどしながら尊にそう、言った。
『そう言うモノですか・・・
こう言うの、初めてですみません・・・』
亜由は、ため息をついた後に、尊の紹介をした。
すると、生徒の誰かが尊に尋ねた。
『はーい。万桜さんとはどんな関係なのですかー?』
なぜ、そんな質問を・・・
万桜はそう思ったが、尊はあっさりと答えた。
『幼馴染ですね。』
尊がそういうと、クラスの男子達は、所々で安堵のため息をついいるのが、万桜にもわかった。
その他にも、尊はいっぱい質問攻めに会っていた。
一時間目にも突入したが、その時間は担任の授業だった為、そのまま「尊への質問タイム」は続いた。
『じゃ、転校してきた理由は何ですかー??』
『・・・』
万桜はこの質問には、耳を傾けた。
なんて答えるのだろう・・・
まさか、仕事をサボる為とは、言うまい・・・。
『・・・の仕事の都合です。』
前半はちょっと聞こえなかったが、上手く誤魔化したのだろう。
『万桜さんとは同じマンションなのですか??』
万桜は思った、魔界に居た時、地上の田舎は、情報伝達が早いと聞いたのだが、まさかここまで早いとは思わなかったと・・・
『お隣さんです。
あ、ちなみに俺は姉と同居しています。』
尊は聞かれていないのに、自分の事を話し出した。
恐らく、質問の内容を先読みして答えているのだろう・・・。
流石に、【願い神】だけあって、神力を惜しみなく使えるのだろう。
こんなくだらない事にまで、力を使っているのだから・・・。
尊への質問攻めは、一時間目終了まで続いた。