左腕が痛い。
左腕が痛い。
左腕が痛い…
さっきは、違和感なく動いたのに
今は動かない。
隼人は悔しくて、情けなくて涙が出た。
しかし、左目からは涙がこぼれなかった…
「いたいの?」
声が聞こえた。
右目でその声の主の方を見ると隼人と同じ年位の
女の子が隼人がねているベッドの横に立っていた。
「わたし、せんせいよんでくるね!」
「あ・・・」
女の子はそう言うと白い部屋のドアを開け
廊下を走って行った。
隼人はこの時、はじめて自分が病院のベットにいる事に気づいた。