モテない男~4話 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

楽しい時はやがて去り行き~
その時間はあっと言う間に過ぎていった…

恐らく、『デート』と呼ばれる異性交遊は
二度とないだろう…
そんな風に思ってしまう位
モテない男はモテないのだ…
モテない男とはそういう生き物だ。
何をしたか、何を話したか全く覚えていなかった…

覚えているのは彼女の名前は

【橘 恭子】

それだけだ…
別れ際に見せた
彼女の悲しい顔…
モテない歴20年以上の
ベテランだからこそわかる…

彼女とはもう会えないだろう…

きっとあの顔は、失意と失望の顔だ…

生まれて最初のキスはサヨナラのキスで

それは、最後のキスで終わるだろう…

夢は見ていない
希望も見ていない
残ったのは失望感でもない
孤独感でもない…
彼女が夕食の時に飲んでいたレモネードの味と
彼女の唇の感触…
そして、彼女の温もりだった…

俺は彼女が好きだったし
そうじゃなかったのかもしれない…
何がわるかったのか
考えても分からない…

きっと、心を開いたのが悪かったのだ…

俺は出ない涙を堪え、
心の中で泣いていた…

次の日、会社に向うのが憂鬱だった…

会社に向うと、
皆がやけに冷たく感じる

不断なら俺に話しかけもしない
女性社員がやたらとつっ掛かって来る…

そう言えば誰かが言っていたよな…
無が嫌いの最大系であり
悪態の中にも愛があるって…

これは、絶対違うだろうな…

孤独が一番辛い事であり
人と付き合う事はその次に怖い…
何もなければ失うこともなく
失うものがあるひてを
羨ましく思い、
全てを失った人でさえ
羨ましく感じる…
最初から何もない人と
全てを失った人との
大きな差…
それは、全てを失った人には
失ってくれる人が結構居たりする

最初から何もない人には
失ってくれる人が居ない…
全てを失う事よりも
失ってくれる人が居ない事が

遥かに辛い…

世の中の摂理は
等価交換…
何かを失い、何かを手に入れる…

だから、今のこの状態は理解できる…

俺は今、屋上で一人の女性社員と共に居る
何故かこの女性社員からキツイビンタを
頂いてしまった…
ネームプレートを見ると

【笹山】

と書かれて居る

嫌われて居るすでに-150はあるだろうに
さらに嫌われたのだろうか?

『あなた!こんなところで何してんの!』

『君が屋上に連れて来たと思うんだけど…』

『ばかやろう!』
今度はアッパーをもろに食らった…
遠のく意識の中、笑顔でVサインをして居る上司と
数人の社員の姿が見えた…