そして、クリスマスの夜
クラースはそっとルドルフの小屋に入った。
ルドルフの部屋は真っ暗でクラースは気配を頼りに
ルドルフに話しかけた。
クラース 『ルドルフ、一緒に外に出てみないかい?』
ルドルフ 『やだ・・・』
クラース 『鼻が赤いからかい?』
ルドルフ 『そうだよ・・・』
クラース 『これでも恥ずかしいかい?』
ルドルフ 『え???』
クラースはそう言うとランプに日を灯した。
ルドルフは丸い目でクラースの姿を見てこう言った。
ルドルフ 『どうして、そんな真っ赤なの??』
クラースは赤い帽子に赤いジャケット、そして赤いズボンに
赤い手袋をつけていた。
クラース 『赤くなってみたんだ。
でも、僕はぜんぜん恥ずかしくなよ?』
ルドルフ 『・・・』
クラース 『だって、君と御揃いだから♪』
・・・・・
・・・
・・
・
その日の夜、クラースはルドルフの引くソリにのり、
ゆっくりと大空を舞い、子供たちにプレゼントを
配りました。
最初は怖がって外には出れませんでした。
だけど、そんなルドルフを見てクラースが言いました。
『僕は今までクリスマスにプレゼントを貰った事がない
逆にプレゼントを贈らなければいけない立場だった。
皆と違う暮らし、生活をしていてずっと塞ぎこんでいた
だけどね?僕はがんばって来た。
皆と違ったからこそがんばれたんだ・・・
だから、君もがんばろう???』
ルドルフは目に涙を込めつつ、大空を飛びました。
『僕も、みんなと違うから・・・
クラースをソリで運ぶよ。』
いつの日かサンタクロースを運ぶのは、
ロバや馬ではなくトナカイになる事を祈りながら・・・
【おしまい】