真っ赤なお鼻のトナカイ~皆と違うからこそ頑張れた。 【9話】 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

そして、クリスマスの夜
クラースはそっとルドルフの小屋に入った。
ルドルフの部屋は真っ暗でクラースは気配を頼りに
ルドルフに話しかけた。

クラース 『ルドルフ、一緒に外に出てみないかい?』

ルドルフ 『やだ・・・』

クラース 『鼻が赤いからかい?』

ルドルフ 『そうだよ・・・』

クラース 『これでも恥ずかしいかい?』

ルドルフ 『え???』

クラースはそう言うとランプに日を灯した。
ルドルフは丸い目でクラースの姿を見てこう言った。

ルドルフ 『どうして、そんな真っ赤なの??』

クラースは赤い帽子に赤いジャケット、そして赤いズボンに
赤い手袋をつけていた。

クラース 『赤くなってみたんだ。
      でも、僕はぜんぜん恥ずかしくなよ?』

ルドルフ 『・・・』

クラース 『だって、君と御揃いだから♪』

・・・・・
・・・
・・


その日の夜、クラースはルドルフの引くソリにのり、
ゆっくりと大空を舞い、子供たちにプレゼントを
配りました。

最初は怖がって外には出れませんでした。
だけど、そんなルドルフを見てクラースが言いました。

『僕は今までクリスマスにプレゼントを貰った事がない
 逆にプレゼントを贈らなければいけない立場だった。
 皆と違う暮らし、生活をしていてずっと塞ぎこんでいた
 だけどね?僕はがんばって来た。
 皆と違ったからこそがんばれたんだ・・・
 だから、君もがんばろう???』

ルドルフは目に涙を込めつつ、大空を飛びました。

『僕も、みんなと違うから・・・
 クラースをソリで運ぶよ。』

いつの日かサンタクロースを運ぶのは、
ロバや馬ではなくトナカイになる事を祈りながら・・・


                            【おしまい】