亡き彼女に送るヴェール~0話 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

夕日がまぶしい病院の屋上
今日は俺達は小さな結婚式をあげた。

銘は恥ずかしそうに少し照れながら僕に尋ねた。


銘  『ねぇ・・・
   本当によかったの?』


彼方 『え?』

銘  『本当に私でよかったの?』


答えなんてもう決まっている・・・


彼方 『うん!』

銘  『・・・・
  ありがとう♪』


夕日が眩しくて彼女の顔が見えない・・・
それは、笑っているのか?
それは、泣いているのか?
僕は少しでも彼女の顔を確かめるために目を細めた・・・

すると、口に辺りにふんわりとした柔らかい感触があたった・・・
彼女の匂いが・・・

彼女の息遣いが・・・

体を伝って感じることが出来た。
彼女の長い前髪が頬をかすめる・・・

少しこそばゆい・・・
それが心地がよく俺は、暫くこの感触に浸ることにした・・・・


・・・・・
・・・・
・・

どれくらい時間が経ったのだろう・・・・?
彼女はそっと僕から離れ、先ほどの行為を恥ずかしがるかのように屋上の隅に移動した・・・

彼方 『・・・・』

銘  『ねぇ・・・・
    彼方君・・・・』


彼方 『ん?』

銘  『ありがとう』

彼女は幸せな顔で優しく微笑んだ・・・
夕日の効果も重なって凄く綺麗だった・・・・
銘は凄く綺麗で・・・

だけど、少し寂しげだった・・・

夕日の太陽が彼女を包み込み
僕の視力を奪ったとき・・・
彼女は僕の視界から姿を消した・・・・

一瞬、何が起きたのかわからなかった・・・
彼女が飛び降りたことに気づくのに数秒の時間が過ぎたよ

彼方 『銘ちゃん・・・?』

僕は彼女の名前を呼んだ・・・
しかし、その声は虚しく・・・

そして、切なく響いた・・・


・・・・・・
・・・・
・・