号泣した  ―毒親育ちに刺さる本― | 自分軸での自分の人生を生きる。

自分軸での自分の人生を生きる。

辛かった過去、毒親の毒を解毒中のアラフォー。
自分も家計も見直し中。

自分軸で自分らしく生きる為の試行錯誤の記録


日々のことやお金や子育てなども☆

最近読んだ本に、強く心を揺さぶられた。


凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』

2023本屋大賞に選ばれた本だ。




この物語は、毒親持ちの高校生・櫂と、同じく毒親持ちの高校生・暁海の辛く悲しい人生物語。恋愛がメインで話が進むけれど、恋愛小説というジャンルとも違うとも思う。

お互いに毒親に翻弄され辛く険しい道のりを辿りながらも、二人は最終的に幸せを掴む。


だが、それはすぐに儚く散る。


散ると知っていても、最後まで一緒にいたい。お互いにとってそう思えるたった一人の相手だった。


散々な毎日でも優しい人や助けてくれる人もいる、周りの優しさに甘えてもいい、経済的に自立していれば誰かに縛られずに生きていける、いざという時には切り捨て、手に入れたいものがある時は周りになんと言われても手に入れる。そういう覚悟がないと人生かどんどん複雑になる、等生きる上で大事な強さや覚悟を私達に教えてくれる物語。



この二人は可愛そうで不幸な親の『親役』をずっとしてきた。生きるためにはそうするしかなかった。

ヤングケアラーだった。


どんなに苦しくても親を助け、支え、自分の人生より親を優先してきた暁海。

親元から離れ、自分の夢を掴み取り順風満帆かのように思えたが周囲や親に足を引っ張られ没落していく櫂。


親からどんなに利用されていても、負担をかけられても苦しくても見放せず親を助け続けた二人の姿は、毒親問題に気づかず、気づいたとしても呪縛から抜け出せないとこうなってしまうんだ、と未来の私達(毒親育ち全員)の姿のようにも思えた。


私ももしかすると、将来こうなっていたかもしれないと思うと、読んでいてかなり恐怖に襲われた。体がガクガク震えた。心のザワザワが止まらなかった。


毒親の元に生まれた私には、心境がわかりすぎて、感じすぎて、共感出来すぎて、読むのが正直辛かった。



【そうそう、毒親ってこうなんだよね〜とか、息をするように子供に負担をかけたり搾取してくるよね。

自分のことでいっぱいいっぱいで、子供の心とか将来とか全く考えないし、好き勝手言うし、実際ネグレクトしたり男に尽くしてばかりで子供放ったらかしたり…。


なのに自分は一生懸命子育てしてきた『つもり』でいるし、子供を愛している『つもり』でいるんだよね。利用していることにも気づかずに搾取し続けるんだよね。


そんな捨ててしまいたいお荷物でしかない親でも、子供は大切に思ってしまうんだよね。そうしなければ許されないと思わされてきてしまっているんだよね。

きっぱり突き放してしまえれば楽になれるし、幸せを掴み取れるとわかっているのに、『こんな親でも親』だから、実際には捨てられないと苦しむ人が多いんだよね。

それでどんどん人生が苦しく泥沼化していくんだよね…】



途中、読んでいて息をするのが苦しくなり、震え、身体の生気(魂)を抜かれたような感覚になった。


トラウマ反応みたいなものが起こり、ザワザワザワザワして仕方なかった。

自身の毒親と、過去の自分を思い出してしまった。

子供により掛かるばかりで親としての役目を果たさない、子供に支えてもらってばかりのダメダメっぷりを見せつけらるのはキツイ。


何度も言うが、窒息しそうになり苦しくて仕方なかった。



だが、先を読まずにはいられなかった。


震えながらも読み進めた。



読むうちに、最後の方は涙が溢れ出てきて止まらなかった。読み終わっても、しばらく目から水が止まらなかった。



櫂が特に可愛そうすぎる。

自分の人生を大切にする強さと覚悟を持っていれば良かったのに。

櫂は誰に対しても優しすぎた。

優しくて、誰も守れなかった。

自分のことすら。




だが、苦しく悲しいばかりではない。

この物語に沢山のことを教えてもらった。


自分や大切な人皆が納得していれば、外野の言うことなんて気にせず自分達の信じる道を進むべきだ。

世間では一般的ではなくても、誤解されてもそれが自分たちの幸せの形であればその道を突き進んでいい。

誰かに遠慮したり、誰かの意見、世間の目ばかり気にしていたら自分がなくなって窮屈で地獄みたいな人生、誰かを恨む人生になってしまう。


また、優しいばかりは弱さだ。




―いざってときは誰に罵られようが切り捨てる。

―もしくは誰に恨まれようが手に入れる。

―そういう覚悟がないと、人生はどんどん複雑になっていくわよ。



―自分の人生を生きることを、誰かに許されたいの?

―誰かに遠慮して大事なことを諦めたら、後で後悔するかもしれないわよ。その時、誰かのせいにしてしまうかもしれない。でも、誰のせいにしても納得出来ないし救われないの。誰もあなたの人生の責任を取ってくれない。


―もちろんお金で買えないものはある。でも、お金があるから自由でいられることもある。誰かに依存しなくていい。いやいや誰かに従わなくていい、それはすごく大事なことだと思う。



本の中の透子さんの言葉が、心に染みた。



毒親育ちにとっては特に色々考えさせられる本だし、脳みそと心をグラグラ揺さぶってくる本。

まだ読んでいなく覚悟のある方はぜひ読んでみて欲しい。



子供が大きくなっていたらだけど、理解ある人と互助会感覚で結婚&家族になるのも悪くない。(再婚とか未婚の場合)

シェアハウスで支え合って生きていくのもありだよね、そんなふうに思った。色々な形の幸せがあってそれでいい。