宅建士試験の科目を大きく分けると次の4つで構成されます。

 

「権利関係(14点)」「宅建業法(20点)」「法令上の制限(8点)」「税法その他(8点)」

 

どの順番で勉強すればよいか。

独学なのでお好きにどうぞ、と言っては身も蓋もないので、
一般的には
 
宅建業法→権利関係→法令上の制限→税法その他
 
を推す方が多いように見受けられます。
理由は大きく2つに分けられるでしょう。
 
1.「最初に権利関係に取り組むと難しくて挫折するから」
 
2.「宅建業法が一番配点が高いうえに得点を伸ばしやすいから」
 
です。
 
1についてですが、宅建試験を難しい試験たらしめているのは、
主に権利関係を構成している民法の難しさによるものです。
法律初学者はなおのこと、
複数年受験者も多くは民法に苦しめられているものと推測します。
 
逆に言えば、民法を攻略すれば宅建試験はずいぶん楽になるといった次第です。
私が不動産四冠資格よりも先に行政書士を取った狙いもそこにあります。
行政書士でみっちりと民法を学べば、四冠資格で民法に悩むことはまずありません。
ですから初学者の方は
 
権利関係→宅建業法→法令上の制限→税法その他
 
をおすすめします。
遅かれ早かれ権利関係の勉強は絶対に避けられないのですから、
初学者は一番時間に余裕がある時期に権利関係に取り組んだ方が、
後々楽になるといった次第です。
なお民法について腕に覚えのある方は宅建業法からでどうぞ。
 
2については、現在の宅建試験では宅建業法は最低18点、
できれば20点満点を狙うのがセオリーになっています。
つまり合格するためには高得点が当たり前の科目になっています。
民法の条文数が1000を超えるのに対して、
宅建業法は86条しかないことからも明らかでしょう。
 
また法令上の制限、税その他が、直前期の暗記で対応できる科目であるように、
宅建業法も力技で対応することが可能な科目です。
本当は好ましいことではないですが、何しろ条文数が86条しかないですからね。
その点理解することが必須となる、
権利関係は暗記ではまず対応できません。
 
繰り返しになりますが、合格するためには宅建業法は高得点が当たり前です。
ボーダーライン上では宅建業法は皆似たり寄ったりの点数なので差が出ません。
差が出るのは難易度が高い権利関係です。
つまり宅建試験は宅建業法が最も配点が多いものの、
実態としては権利関係が合否を分ける試験ということです。
 
次のようなことからも、
権利関係に傾注した勉強をお奨めする次第です。