省吾君は事務所で仕事をしながら

奥さんの方の夏美さんのアシスタントに

話しかけてみる

 

「ねぇ、夏美先生ってどんな人?」

 

話好きの40代のおばちゃんは

ちょっと、眉をひそめながら

 

「保品先生よりやり手!

この事務所がここまで大きくなったのは

夏美先生のおかげ

新しく入って来た人が

だいたいみんな夏美先生ってどんな人って

聞くのよねぇ

びっくりするよね

あの仕事の仕方」

 

そう、省吾君は夏美先生のがつがつした仕事ぶりに

驚いていたのだ

とにかく案件を成功させるためには容赦ない

何よりも口が汚いし、どんな育ちをしてきたのか

そう思ってしまうようなものの食べ方

写真で見る上品さとは大きな違いだ

 

落ち着きがなく、いつもイライラした仕事ぶり

それでも、多くの案件を手掛けて

省吾君たちを顎で使う

ここの代表の保品先生とは大違いだ