久しぶりの修羅場? | ただのブログ

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わけあってサウジアラビアに滞在することに・・・
サウジでの七転八倒?を書き留めていきまーす。

今日は仕事を定時で終え、バラッド(旧市街のスークが沢山あるところ)に

行きました。

目的は両替です。


いつもの両替商です。

ただのブログ-Alamoudi Exchange

もう勝手はわかっているので迷わず店を入って二階へ・・・

カウンターには一人おじさんが手続きをしていました。

その後ろに並びます。


ところが!横からアフリカ系の太っちょおばさんが割り込んできます。

まあまあ一人ぐらいぐらいいいか・・・

そのおばさんは、こちらの人がよくくわえている木の根っこのようなものを

噛み噛み・・・

「ニューヨークの姉妹に送金するんだ」とかなんとかカウンターで言っていました

ところでこの木の根っこ、歯磨きです。

でもよくくわえながら歩いているのを見かけます。


このおばさん、なかなか窓口で時間がかかります。

店員もいつものサウジスタイル。横の人と喋ったり、携帯で喋ったりで

なかなか終わりません。

少しイライラ。


やっと自分の番が来ました。

トラベラーズチェックを出し、言われるがままにパスポートを見せます。

ところが、今回はいつもと違う。

パスポートのコピーを取ったり、ビザを細かくチェックしたり、何やらパソコンに

入力して照合している模様。

そして、どこかに電話をかけ何やらアラビックで話、またどこかに電話をかけています。

この時点で私がこの店に来てから20分ほど経過。

後ろにも数人が並んでみんなイライラです。

後ろのサウジーが「何やってんだ!早くしろ!電話なんかしてる場合じゃないぞ!」と

店員に怒り始める始末。オレが悪者か?

そして長ーい確認か入力かなんかの時間が過ぎ、30分ぐらいでようやく、

トラベラーズチェックにサインして終了。

「ふぅ~」


さて、ここでは確認のみ。

確認済みのトラベラーズチェックを持って今度は一階のカウンターに並びます。


ここは出稼ぎのアジア人や、ハッジ(海外からメッカ巡礼)の人でいつも大混雑。


ところが、今日は下に降りるなりこわーい警備員に呼び止められ、私の手から

トラベラーズチェックを取り上げ、それをカウンターの小窓から係員に渡しました。


私は一瞬、「なーんだ日本人だから特別待遇で並ばずに済むのか?」と

思いました。で、警備員に「で、オレはどうするの?」と聞くと、「列に並べ」と・・・


どういうことだ?トラベラーズチェックを取り上げられて、手ぶらで10人位の列の

最後尾並べだと?訳がわからん・・・


まあいいか。並ぶか・・・

(最近、なんでもあまり考えずに「まあいっか~」となってしまう自分が怖いです)


そして、店に入ってこの時点で45分位経過。早くしないとプレイヤータイムで

追い出されてしまいます。

10分ぐらいでやっと自分の番が回ってきて、窓口のおじさんに、「さっきのオレの

トラベラーズチェック!」カウンター越しに指差しながら「それそれ」と説明しますが

このおじさん要領を得ず。

待ちきれない後ろのお客が私を抜かして両替の手続きを始めました。

「おいおい!」

「まあいいか、一人くらい。相手が日本人なら絶対許さないけど・・・」

そして、そのお客が終わって次に別のお客に行こうとしていたその時。

もう我慢の限界です。


「ラーラーラ」です。

カウンターを叩きながら、「ラーラーラー Bigムシケラ!」。サウジスタイルで怒ってしまいました。

*これは訳すと、「No No No!Big Problem!」です。

「オレのトラベラーズチェックはどうした!早く返せ!それはオレんだ!」

とうとう、気が長くなっていたつもりの私も思わず爆発!


すると窓口のおじさんは目を丸くし、周りの数十人のお客さんは一気に注目です。

すぐにさっきの警備員が飛んできました。

「この状況やばいかも・・・」とおもいつつ、警備員に、「お前が取り上げたトラベラーズチェック

あそこにあるだろ!」と抗議。

すると警備員、カウンターの奥から何やら紙に包まれて輪ゴムで束ねた何か出してきて、

私に手渡します。

「なんだ?」 もう完全に訳がわかりません。

開けようとすると、「開けるな!このままカバンに入れろ!」とコソコソと警備員が言います。

そう言いながら店の外まで私を誘導。

誘導されながら紙の包の中を見ると札束です。とりあえずカバンに入れながら???


店を出て、駐車場まで行き、車の中で中身を確認すると、明細書と現金がちゃんと入っています。


そこでようやく私は事態を理解。

私が現金化したのは5000USドル(日本円で40万円)。これをサウジリアルへ両替したのです。

そう、ここではとんでもない大金なのです。

周りのお客さんは、月収数万円の労働者ですから。

日本に換算すると、数百万以上の感覚かもしれません。


店の二階で私のトラベラーズチェックを確認した際、大金なので窓口のおじさんも慎重に

時間をかけて念入りに確認。しかも親切にも下の警備員に連絡し、その警備員は危ないから

大金のトラベラーズチェックを窓口で預かってもらい、列に並ぶよう私に指示したのです。(無言で・・・)


そして、換金窓口のおじさんも、大金をみんなの前で裸で渡すことをためらって警備員が来るのを

待っていたのではないかと推測されます。

そして、紙にくるんだ札束をこそっと渡し、ささっとカバンに詰めて立ち去るような手はず?

だったようです。

ただ、大きな失敗は事前に私にその手順を言わなかったこと!

そりゃあこうなるでしょ!


両替商のみなさん。いろいろと気を使ってもらってありがとう。

窓口のおじさん、怒ってごめんなさい。

犯罪の少ないサウジとはいえ、私はあまりにものんきな日本人でした。

おかげで無事数ヶ月分のホテル代とドライバーの給料を払うことができます。