ワタシがヴィオラ奏者と半同棲していた頃になるから、もう35年以上昔の事だけれど

 

ある日

 

田園調布の道に、1台のセダンが停まっている横を歩いている時に、変な違和感を覚えた。

言っちゃあナンだが、ワタシは武道については相当な腕である

 

殺気や威圧感などの暴力的な「気」を読むのは、ある程度以上の腕前になるための基本でしかない

 

ワタシの横の、暗色の目立たないセダンからは、車が炎上しているくらいの(洗練されてはいないが相当な量の)気がたちのぼっていた・・・・

 

「おっとぉ!(σ≧▽≦)σ」

 

あらためて車の中を覗き込むと・・・・ガラス玉みたいな8つの目玉がじっとこちらを睨んでる!( TДT)・・・・

全員、ガタイがよくて地味な服装・・・・五人乗りの車だろうけど、こんなムサイオッサンがギュウヅメの車に最後の一人として絶対に乗りたくはない!

 

あまりに不審極まりない車内の様子と殺気に、

「コイツら・・・・もしかしたらヤクザの暗殺部隊?」

と思いつき、少々からかってやろうと、顔をガラスに近づけて中をジロジロとじっくりねっちりわざとらしく観察するワタシ・・・・

 

35年前だって、勿論ワタシは嫌なやつなんだぜ!(o^O^o)

 

すると、全員の方耳からプランと伸びるイヤフォンのコード・・・・(*^^*)・・・・なるほどね・・・・ヤクザはヤクザでも桜田門かよ!(σ≧▽≦)σ

誰か、要人の警護か張り込みなんだろうと勝手に納得し、そのままプラプラとマンションの階段を昇る

なんたってその日は、部屋では二日ぶりのヴィオラ奏者が今や遅しとワタシの軍曹さんを待っているもんだからさ!(o^O^o)

 

それから15分後

 

軍曹さんのペースが昇り調子にグングンと加速がつき始めた頃だよ!(*≧∀≦*)

 

ピンポーンピンポーン<emoji:note>

・・・・・・・・なんだよ今いいとこなのに

 

スッポンと引き抜いた軍曹さんのテカテカ光る頭から、やらしい薫りの湯気をモワンモワンたちのぼらせながら外を覗くと、さっきのセダンの中で押しくらまんじゅうしていた中の一人とおぼしき男が立っている・・・・オイ!・・・・話によっちゃただじゃすまねえぞ!

 

ドアを開けるといきなり

「○○○君だよね!懐かしいなぁ!」

・・・・

えっ?

・・・・

「ほら、僕だよ!○○!!」

・・・・

○○?・・・・知らん

「イヤだなあ!忘れたの?(σ≧▽≦)σ幼稚園で一緒だった○○だってば!」

・・・・幼稚園?・・・・

コイツはワタシと幼稚園で同級生だったと言いたいらしい・・・・ワタシが覚えていないのが不思議でならないらしいが・・・・このワタシが男子の顔なんぞ覚えている訳無いだろ?バカなのかな?・・・・

 

「いやあ~○○○君、このマンション下の道にいつも車停めてるじゃない!駐車違反で誰の車だか調べたら懐かしい○○○君!でも大丈夫だよ!○○○君の車なら!さっき顔を見てさ!あんまり懐かしいから我慢できないで挨拶に来たんだ!(o^O^o)」

・・・・

「そうかい・・・・そりゃあなんというか・・・・助かるけど・・・・車はアレとしても、俺がいるのがなんでこのマンションのこの部屋だってわかるのかな?」

 

「そりゃあほら!僕もこの地域の警官だからさ!知ってるよ!彼女‼️美人だよね!羨ましいなぁ!」

・・・・

コイツ・・・・アブネェ奴・・・・

 

「へぇ~そうなんだ!さっきは悪い事したな!あんまり人相の善くないガタイのいい四人組がぎっちり車に詰まってたもんで、てっきりヤクザの出入りかと思ってジロジロ見ちゃったんだよ!皆さんに謝っておいてね!・・・・えっと・・・・○○君!」

 

「あははは!ヤクザはひどいなあ!最近ここら辺でバイクに乗っ引ったくりが増えててさ、その警戒してるんだよね!」

 

あくまでも明るく懐かしげな○○君だが・・・・あちこち完全にズレている・・・・が・・・・

 

実はワタシ

彼が本当にワタシの幼稚園の同級生であったかどうかは、五分五分以外だと思っている

 

あの四人組のオーラというか殺気は、一般の警官のそれとは大分異質なもの・・・・言ってしまうと公安の臭いがしたのだ・・・・

 

もしかしたらだが、何か公安の重要なミッションの最中に一般人のワタシに明らかに不審者を視る目で視られた事で、これは通報されでもしたら任務に支障が!・・・・と・・・・慌ててワタシをつけ、車と部屋を特定して一気に経歴を調べあげ、普通なら覚えているはずのないはずの幼稚園の同級生の名前を名乗って、探るために接触を試みた・・・・それなりに年齢層の近い一人が選ばれて・・・・・・・・わたしが彼等の殺気に気づくというのは、彼等もワタシの殺気に気付いたはずだからね・・・・

 

勿論、ワタシはその可能性に気付いてはいたが、イジワルついでにそこまで暴露してしまい、公安の若造を追い詰めるのはやめておいたんだ!(o^O^o)

ワタシだけならどうとでもなるが、ヴィオラ奏者まで巻き込みたくはない・・・・

 

だから、彼に調子を合わせているが、実は思い出せないでいて申し訳ないオレ・・・・みたいな感じで対応しておいたのだよ・・・・芝居につきあってやったんだよ(o^O^o)

 

だって

 

本当に彼が幼稚園の同級生だったとしたら、警察はとんでもないストーカー体質の隠れゲイを抱えている事になるんだぜ!(o^O^o)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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