2010年の6月からはほとんど病院にも通わなくてすんでいた影元くん。


って言いますか、病院へ行くと


「あぁ、いい感じだね。何もしなくて大丈夫だね。何もしないからお代は結構ですよ。」


なんてことに(;^_^A


なっちゃうんですよ。しょっちゅう。


時間を割いて診察していただいているのに治療費をとられないって、なんだか申し訳なくて。

耳から汚いカスが出てきたら行くことにしようと決意いたしました。


そうしたら、病院に行く機会もなくなり、もうすっかり良くなったのかもドキドキって思ってました。


ところが、約1年後の2011年6月10日。金曜日の深夜のことでした。


影元が、いつも通りにテーブルの上に乗っかり、長々と寝そべっていたと思ったら、突然床に落ちました。


ドサッと。

床の上でうつ伏せになり、「きゃーーーーっきゃーーーーーっきゃーーーーっ」

っていう、悲鳴のような呼吸をしました。


飼い主、取り乱しまして。


「影元、かげもと!かげもと!!」って背中や胸をさすりました。


飼い主を見ながら「きゃーーーーっきゃーーーーーっ」って鳴きつづける影元。


そうだ!獣医を叩き起こそう!!



人でなしの飼い主は獣医に電話をすることに決定。(勝手に。)


電話の子機を取に行き(この声を獣医に聞かせようと思ったから)戻ってみたら




うちの猫のはなし
ケロリ


ん?何かありました?って顔をしてました。


何だったのか?その後は全く変わった様子もなかったです。


でも、翌日は幸運なことに土曜日だったので、朝一番で動物病院へ行きました。


朝ご飯もモリモリ食べて、本当に普通にはしていたのですが。。。



動物病院では獣医さんに


「何でもないよ。過保護なんだよ~。」


って迎えられ、診察が始まりました。


昨夜の様子をベラベラしゃべる私の説明を「はいはい」って聞き流しつつ、


聴診器を影元の胸に当てた獣医さんの表情が一変しました。


心電図!レントゲン!!あと、心エコー!!


雑音があるよ。嫌な感じだね。


って。


レントゲンを撮ってもらった後、心エコーのために検査室に行きました。


別の獣医さんとスタッフさんが2人がかりで心エコーを撮ってくれました。


心エコーって、心電図も付いているんですね。


何をされても平気そうな影元が、心エコーを撮る最中に体の向きを変えたり、違うところに機器を当てられたりするたびにドキッドキドキとしていることが分かりました。


やっぱり平気じゃなかったんだなぁ。いろいろ我慢してたんだなぁ。

心エコーを撮って良かったことは、それが分かったことかな。


心エコーの最中、獣医さんとスタッフさんが

「あ・・・う~ん。」

「なんですか?」

「これ。」

「普通は?」

「ないよ。」


なんて会話してるから、あぁ、普通じゃないんだって多少の覚悟はできました。


心エコーが終わり、呼ばれるまで検査室で待っててくださいねって影元を返されました。


抱っこすると、しがみついてきました。


絶対に飼い主に爪を立てない猫が、きゅーーーっと飼い主の肩に爪を立ててしがみついてきました。


血が出ない程度ですけどね。


キャリーに入れず、ずっと抱っこしていましたが、ずっと「んっんっんっんっ」って鳴きながら、しがみついてました。


呼ばれたのでそのまま診察室へ。


抱っこしたままで結果を伺いました。


診断は、心室中隔欠損症。


先天性の心臓疾患で、心室に穴が開いてるのだそうです。


心臓というのは右心室と左心室の圧力が極端に違うものなのだそうです。

ところがその間に穴が開いていると、だんだんと圧力差がなくなってきてしまう。

そうすると右心室の汚い(酸素の少ない)血と左心室の肺から戻ってきたきれいな血が交じり合い、

酸欠状態になってしまう。

または、心臓や肺に負担がかかり、心臓が肥大したりしてしまう。


治療法は手術で穴をふさぐしかないけれど、猫は心臓が小さいから一般的には手術はしない。


将来的には腹水や胸水がたまって死んでしまう。


うまくコントロールすれば8年くらいは生きられるよって言われました。


ただね、影元の場合、右心室に影響が出始めてるからなぁ。って。


夕べの変な呼吸も関係しているのどうか、伺ってみたところ、関係ないとのことでした。


じゃあなんだろう?「たまたまじゃないのか」って言われました。

なんか変なものでも飲んじゃったのかな?

(もやはどうでもいい気持になっておりました。)


治療は、特に何もしないけど、経過観察で半年後に連れてきてくださいとのことでした。


何にもできないんですか?って尋ねてみました。


獣医さん曰く、この子たちはこの先20年も30年も生きるわけじゃないだろう?

心臓の手術なんて、リスクが高いうえに体に大きな負担をかけることやって幸せなのか?

気を付けてあげて、普通に生活して、生きられるだけ幸せに暮らした方が良いんじゃないのか?


って。



正論だと思います。

まったく、その通りだと思います。


なにしろ、今のところは全く何の症状も出ず、毎日元気に生活しています。


ご飯もモリモリ食べるし、アニキニャンズときゃっきゃと遊ぶし、飼い主にグイグイくっついてきたり、

グリグリ甘えたり。


QOL(クオリティ オブ ライフ)を考えると、獣医さんの言っていることは本当に正しい。



でもさ。せんせい。私はあきらめられないんだ。



どうしても諦められないので、先生を裏切って大学病院に行っちゃうんだ。


ごめんね。



うちの猫のはなし-2011.4kagemoto
ごめんですぅドキドキ