影元くんは2008年12月4日生まれのメインクーン♂です。


メインクーンのブリーダーさんのお家で生まれました。


生後間もなく、両耳の奥に「肉芽腫」というものが出来、病院通いが始まったそうです。


「肉芽腫」があると、耳から黒っぽいカスのような、べっとりした耳垢がどっちゃり出ます。


すごく痒いみたいです。


膿んでしまうから、臭いも出るみたいです。


影元くんは性格が良くて、ブリーダーさんのお宅に仔猫を選びに来たお客様の後をついて回ったり、


お膝に乗ったり、足元に寄り添ったり。


可愛いから「この子にしたい」ってお客様が言っても、お耳のことがあるので出すわけにはいかなかったそうです。


兄弟姉妹や後輩の仔猫たちが次々と新しい飼い主さんのところに旅立っても、影元くんだけは相変わらず病院通いの毎日です。


うちのアニキニャンズ(平蔵&忠相)は、そのブリーダーさんから来ていたので、そのご縁もあって遊びに行くこともあり、影元くんのことは生まれた時から何度か会って知っていました。


遊びに行く度、お客様の間をちょこちょこと元気に走り回る影元くんを見て、「大きくなったね~」って撫でたり抱っこしたり。


影元くんが生後8か月を過ぎたころ、また遊びに行った時のことです。


影元くんの姿が見えませんでした。


「新しいお家に行けたんだなぁ。」


そう思っていました。


帰り際にブリーダーさんにそのことを尋ねると、大きくなってきたから、女の子の猫と一緒にいさせることが出来なくなったって。別室のケージの中にいるんですよっていうお返事でした。


せっかくだからって、別室のケージの影元くんに会って帰ることにしました。


ケージの中でちょこんと座ってこちらをじーーーーーーーーーっ目と見つめる影元。


何人かいたお客様中で、私の目をじーーーーーっ目と見つめ続け、目をそらしませんでした。


ロックオンか?


そうして、ケージの中の影元はしょんぼりしているように見えました。


とてもちんまりとして見えました。



はいはい。


こりゃ、もうだめだわ。


と、言うわけで、影元くんはうちに来てもらうことにしました。


きちんと病院へ通わせることをブリーダーさんに誓い、きちんと有償で引き取りました。


2割引きにしてくれましたけどね。


病院代がかかることが分かっている猫を有償で引き取るなんて…っていう人もいましたが、なんとなくですけど、無償で引き取ったりしたら影元が厄介払いされているような気がして。


猫にも尊厳ってものがあるんじゃないかなぁと思ったんですよ。


病院代はかかるかもしれないけど、私はお金を払ってまで影元と暮らしたいんですよって。


そういうのって、猫にはわかっちゃうものなんですよ。



うちの猫のはなし-2011.1.9kagemoto
天才だからね~


(影元くんのこれまで part2につづく)