お盆なので、
亡き愛娘・ネルの話をします。

彼女は、まだ関西の実家にいた頃に
飼えなくなったお宅から迎え入れた
保護犬のミニチュアダックスでした。

そのお宅よりさらに昔の飼い主が
あろうことか
ペット禁止のアパートで飼うために
彼女の声帯を切除していたせいで
普通に鳴くことができず、
スンスン、ハフハフ…と息声で囁く子でした。

あちこちたらい回しにされてきたからか
底なし甘えん坊の寂しがりでしたが
果物が大好きな食いしん坊で
いじらしいほど愛情深くて…チョコ

片時も私から離れたがらず
くっついて歩き、
私が座ったり寝転んだりすれば
胸に寄り添ってきて…

4.5キロの小さな体で
溢れんばかりの愛を私にくれました。
美羽とチョビにとっても、
いつも優しいお姉ちゃんでしたピンクマカロン

ネルと美羽の遺骨(の一部)は
カプセルペンダントに入れて、
今も肌身離さず一緒にいます。

ネルに対しては今でも

大きな後悔と贖罪の気持ちがあります。


2017年の初夏、

公私ともに信頼していた人の裏切りで

精神的に深いダメージを負う事件があり、

何ヶ月経っても立ち直れなかった私は

本気で死を考えていました。

それによってネル、美羽、チョビを

路頭に迷わせないために

彼女らを託す先を決めて

具体的な金策もしました。


翌18年の3月、

それまで病気らしい病気もせず

食欲旺盛だったネルが

突然ものを食べなくなりました。

診断名は急性膵炎…、

年齢的に珍しくはないとのことでしたが

(出逢った時の推定年齢から数えると

15歳前後)

あまりにも急でした。


わずか1週間足らずのうちに

急性膵炎から急性腎不全、多臓器不全に陥り、

3日間の昏睡状態を経て

ネルは旅立ってしまいました。


かかりつけの獣医さんのご厚意で

点滴や酸素ボンベなどの

必要機材一式をお借りして

使い方や点滴交換のしかた、

オムツの作り方などを教えていただき、

毎日往診にも来ていただいて

自宅で看取ることができました。

苦しまず、安らかな最期でした。

でも…


こんなことになったのは私のせいだ、

と思いました。

私が本気で死のうとなんて考えたから…、

大好きな家族に

また置き去りにされるくらいなら

自分のほうが先に逝こう、

と思わせてしまったのではないか、と。

愛してやまないはずの娘を、

誰でもなく私が死なせたんだ、と。


どんなに悔やんでも詫びても

追いつきません。償えません。


だから今は、

チョビとティムに毎日のように

言い聞かせています。


ママは何があっても

君たちから離れていかないから、

ずっとそばにいるから、

元気でいてね、と。

元気じゃなくなっても大丈夫だから、

安心して長生きするんだよ、

いっぱいいっぱい世話をかけてね、と。ハート


いつかあの世で再会した時、

短いアンヨで駆け寄ってきてくれるはずの

可愛い娘に、

顔を伏せなくてすむように。


ネル。美羽。

ママは、ちゃんと生きてゆきます。