4月、大学生になったら軽音サークルに入ってキラキラ大学生活をしようと夢見ていた私は、入学早々大学に何サークルもある軽音サークルを見学して回っていた。音楽がもともと好きで高校の時も有志バンドをしたりしていたことと、大学生バンド=青春の具現化のような存在に謎の幻想を抱いていたと(主にこっち)がきっかけだ。

 先輩に話しかけては「ギターやりたいんです!」と言って回り、「えー!入ってくれるの嬉しい!」という先輩方からすれば、この新歓期間に何千回口にしたであろうセリフを言ってもらって満足していた。先輩方はとても優しくて、部の雰囲気もとてもよく、ライブが始まると狂ったように踊り始める軽音文化も非常に楽しんでいた。

 5月、新歓の途中にこの大学の軽音に入るには勝ち抜き戦があることを知る。厳選なる抽選だ。ラッパーならうまく韻が踏めそうなこの事実を当時の私としては、「いやいや、ただの脅しでしょ。言ってるだけで誰も落ちないんじゃないの?厳選なる抽選、みんなハッピーで当選♪」と下手な韻ふみをして気楽に捉えていた。新歓最終日の帰り際に、先輩から「軽音人気だから抽選になるかもしれないけど、また一緒にできるの楽しみにしてるね。」と言っていただき、私は「はい!」と元気よく返事をして帰った。

 6月、ついに抽選の日。当選結果はインスタのdmで来るとのことだった。夜ドキドキしながら待っていると、着信音が鳴った。私は、結果は何も変わらないのに一応そぉっとスマホの画面をのぞき込む演出を自らして、テンションをあげていた。

 「〇〇さん、厳選なる抽選の結果全てのサークルで落選されました。」

 私はそっとスマホを伏せると頭を抱えた。全ての厳選なる抽選でRAKUSEN☆ラップがうまい方、韻を踏んでラップにしてみてください。何かいい歌詞が生まれそうです。私としてはラップを踏めるテンション感ではなかったものの、この時はそれほど沈んでいなかった。今度は逆にみんな落ちてるんじゃね??と考え始めていたからだ。これもう落ちた人でチーム落選とか組んでさ、バンドできるんじゃない?何なら軽音作れるんじゃない?などと自分を納得させながら布団に入った。

 翌日、大学にて軽音新歓でできた友人たちにどうだった?と片っ端から当たる私に現実が突き刺さってくる。いないのだ。私以外に落ちている人がぜんっぜんいない、というか全くいない。何ならみんな「かわいそうに」「眠れてる?」と同乗してくれる。うぅ、さすがに眠れてる、何なら爆睡しました。やっぱり同情されるとなんだか自分がかわいそうな人間に思えてくるもので、「その優しさが痛い」ってこういう時に使うんだと痛感した。

 さて、時は6月、新入生締め切りをしているサークルも多く、それに4月から仲を深めている既存の集団に入るタイミングも逃している。でもやっぱりサークルに入って先輩や学部が違う同期が欲しい!となっていた私の前に救いの神が現れる。たまたま授業で友達になった子が入っているジャグリング・マジック部に誘ってくれたのだ。かなーり畑違いではあるが見学に行ってみると先輩方も優しくて、技も超かっこいい!と感激し、その場で入部を決意。

 7月、不器用なふつつかものではありますが、ディアボロを始める。ディアボロとは中国ゴマのことで皆さんも観光地などでおそらく見たことがある、一本の紐で、カクテルグラスの上部を二つ外向きにくっつけたような形のコマをぶんぶん回して、飛ばしたり回したりするするあれである。プロの方や先輩はいとも簡単に回していたディアボロだがいざやってみると難しい。コマを回すどころか今のところ自分が振り回されっぱなしだ。

 こうして入学してから3か月何してたんだろう状態にある私だが、これからは振り回されないようコマを回しながら大学生をしていこうと思う。