猫木めの勝手な書き散らかしサイトな我が家の4周年記念に、皆さまご存知!まじーんさまの罠へお邪魔のラストな第4弾☆

 

【リク罠206】「違うんですぅ!!(仮)」

 

にドボンと。

(*ΦωΦ)

タイトル、罠文、内容、使用不使用アレンジ自由とのお言葉をいいことにやりたい放題こじ付けたものにてございます。

 

 

前回なヤンマガものなかわいいひとよりは短く…………纏めたいとは、思ってはおりやす。←いつもながらなのーぷらん。

_(:3」z)_

 

 

✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄

 
 
 
 
カラカラカラカラ……
マンションのエントランスホールの床とキャリーケースのコマが奏でる軽い音に重なるように、はぁぁぁぁぁと肺の奥から吐き出された深いため息。
今週は頭から新しく世界遺産に登録された遺産とその町の下町B級グルメ紹介の特番ロケから東京に帰って来てなドラマの収録、そのまま流れるみたいに空港に向かって沖縄へ飛んで有名な水族館への動物番組の裏側密着などなど……
隙間なくぎゅうぎゅうに詰め込んだ京子のスケジュール。
移動に次ぐ移動な目まぐるしく仕事をこなした身体、確かにずっしりとした疲労を感じている。
けれど、ついついキョーコの口からため息が漏れてしまったのはそんな肉体的な疲労だけが原因では決してなかった。
 
 
 
 
敦賀ストーカー出来ないようにって限界まで詰め込んだ仕事。
今までこっそりと持ち歩いていた演技の神からの有難いお言葉お説教モードな敦賀様人形だってクローゼットの奥に封印したままなお留守番で、キョーコの周りから敦賀蓮を排除した徹底した敦賀断ちでキョーコのストーカー願望を失くす筈……だったのに。
街角にはあの日本人には着こなすのが無理とまで言われたブランドを着こなして挑戦的に微笑む大きなラッピングポスター。それでなくても、楽屋に無造作に置かれた雑誌にもテレビな液晶画面にだってドラマに特番にCMにと……ついつい視界に映ってしまう神に愛されたもうた寵児の麗しき美貌。
いや、そんなメディア露出がなくったって、ふとした瞬間にキョーコの脳裏に浮かんでしまうのはいつもいつも、恋しい男の顔。
例えば……
ドラマのセットの片隅に置かれた赤い薔薇の花に、あの隠れ遊び人の悪い男が気まぐれでキョーコの頬へ寄越した心臓に悪過ぎるお礼を。
ロケ先で食べたご当地グルメレポートでも、この味を再現してみたら喜んでくださるかな?といつもキョーコの料理を綺麗に食べてくれる先輩俳優の優しい笑顔を。
鱗を煌めかせて泳ぐ魚の群れや雄大なジンベイザメのなんだかかわいい食事風景、南の青い海に沈む真っ赤な夕日の美しさに胸打たれても……
ついキョーコの頭には妄想が浮かぶのだ、隣にあの優しいひとがいてくれたなら、どれだけ幸福だろうかなどと。
無自覚ストーカー欲を断ち切る為の敦賀断ち!だった筈が……より一層ストカ欲求が酷くなってやいないだろうか?
想い人に逢いたいという恋心を危険なストーカー心へと頑なに思い込んでしまっているキョーコ。第三者が聞いていれば思わずツッコミを入れたくなるみたいな悩み。だが、残念ながら悩める曲解乙女へ救いの手を差し伸べる存在などなく……
はぁぁぁと、再度小さくため息をつきながらエレベーターの呼び出しボタンを押す。
『DARK MOON』や『BOX"R"』などのドラマや映画と順調に芸能人として顔と名前が知られていったキョーコ。下宿先のだるま屋までファンが押し掛けてくるようになってしまい、迷惑はかけられないと半年程前からの一人暮らし。
誰もいない部屋へ帰る寂しさと仕事の疲労とおさまらぬストカ欲への悩み。いつもならばぴしっと姿勢良く伸ばされているキョーコの背筋も、誰もいないエレベーターの壁へ、へたりと寄りかかってしまっている。
無意識ストカ欲求を封じ込めてしまおうって、こんなに必死なのに……物理的にストーキング不可能な距離を離れてさえ、ふとした時に食生活の心配やらを言い訳に、ただひと目でも顔が見たい、逢いたいと思ってしまうなんて……あぁ、やっぱりあのひとタラシですけこましな隠れ遊び人がだだ漏れに垂れ流す魅惑な魅力は恐ろしい。
そもそも、この日本に居る限りあの麗しい実力派俳優を意識しないようにってのが無理だったのでは?でも、これ以上どうすれば?
などと頭を悩ませていたキョーコの足は、「ひっ!……」と言う驚きに思わずもれた小さな悲鳴と共に、マンションの自宅の部屋のドアよりもだいぶ前にピタリと止まってしまう。
 
 
 
 
 
パシパシと、睫毛を瞬かせながら、硬直したように立ち竦むキョーコはただまばたきを繰り返してしまっていた。自分の目に映るものが、現実だと信じられなくて、だ。
キョーコの自宅のアルコーブ部の床にドアへ背中をもたれさせ、無造作に立てられた膝の上に腕と頭を乗せてうつむき座り込んでいる……大柄な人間がひとり。
癖になってしまうかわいい指通りだろう艶さらの黒髪。
高級感溢るる洗練ファッションの上からでも、キョーコの眼には見抜けてしまうあの完成された美の比率を描く骨格にしなやかに鍛えられた身体。
ぱちぱちとキョーコが祈るみたいな気持ちで、何度まばたきを繰り返そうとも、眠ってでもいるのかぴくりとも動かないその人物は変わらずにそこに居て。
陽もとうに落ちた夜に近い時間。他に人の気配もない、ようやっと自分の家感覚が持てるようになって来たばかりなマンションの廊下にて、キョーコは酷く深く深ぁぁぁぁく、心の底から嘆くように恐怖し絶望していた。
 
 
 
 
 
 
敦賀断ちの禁断症状か、ついにとうとうここまでこんなにもリアルな敦賀蓮の幻覚を見てしまうがまでに取り返しようもなく末期な……自分のストーカーっぷりに。
 
 
 
 
 
✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄
 
 
 
ストカ回避にと避けて避けてとがんばって、おうちへ帰ってみれば、びっくり!ストカ紳士が落ちていたキョコさん。
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、
 

 
次回、衝撃と混乱。←やっはしのーぷらん
_(:3」z)_
 

 
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 
web拍手 by FC2