本日のこれはですね……つい先日、猫木が部屋着にしようと購入したワンピース、そのデザイン



↑なそれから思い付いたものだったりしやす。


それも、我ながらたったこれだけからよくもまぁこう無駄に妄想を膨らませるものだと呆れてしまうよーな


つまりは、そんなあほ話にございます。
なんでも桶ー☆なお方さまは、どうか暇つぶしな感じでなまぬるーぅくお付き合いくださいませ。
_(:3」z)_


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その日、夕方から深夜への仕事の予定が急なスケジュール変更によってぽっかりと空いてしまったオフな時間。
メシは食えよ!としっかりとマネージャーに指摘されたにもかかわらず、別にお腹も空いてないから家にあるなんたらinゼリーとかでいっか……なんて事を考えながら愛車が待つ駐車場への移動途中、用事もないのにその俳優がふらっとそこへ足を運んでしまったのは……
小さな小さな声のようなものが聞こえた気がしたからだった。
『……て……こわぃ…よ、た…けて…ぇ…』
怯えに震えた助けを求める微かな声。
声の方へと近付いていくと、みぃみぃと高い声が降って来るのだ。
「降りれなくなっちゃったのかな?」
とある木の下で蓮が声を追うように上を見上げれば、登ったはいいが降りれなくなってしまったのか高い枝にしがみついて震えて鳴く白い仔猫。
190センチと日本人の平均を上回る高身長を誇る蓮の背丈を超えた高さ。楽しく登ったはいいがふと降りれないと気付いてしまったらしき仔猫にとっては恐怖でしかないのだろう。
『だれ?しらない……でっかいにんげん』
みぃーと震える仔猫の鳴き声と頭の中で重なるような不思議な声。まるでこの仔猫の心の声が聞こえているかのようだ。
そんな馬鹿な……と、不可思議現象に首を傾げたくなる蓮。が、まぁ今はこの仔猫の救出が先かと思い直す。
ちらりと視線を巡らせてみると、なんとも都合良くも足もとにコンクリートブロックが。この上に足を掛けて腕をを伸ばせば、蓮の身長ならば仔猫がしがみついているところまでなんとか手が届きそうだ。
「助けてあげるから、じっとしていて。」
通じるかもしれないな……と何故かそう思ってしまい、仔猫へと向かって優しくそう声を掛ける蓮。
『たすけて……くれるの?でっかいにんげん……わたし、たべたり……しにゃい?』
ぺたりと伏せらた耳とふるふると震えいる白い毛並みの尻尾。
救出への期待と未知な存在への怯えに震える琥珀色の大きなその瞳が、どことなく蓮の愛しいあの娘を彷彿とさせるようなそんな愛らしさがあった。
「食べたりしないから。ほら、おいで?」
仔猫と会話?をしている自分にふっと唇を綻ばせながら蓮がコンクリートブロックに足を掛け仔猫へとゆっくりと腕を伸ばすと、少し迷うような様子を見せた後、仔猫はおずっと蓮の手へとにじり寄って来てくれた。
手の中に柔らかな仔猫のぬくもりを捕まえて、ふわりと蓮の両足が着地する。
「もう大丈夫。首輪してるけど、家には帰れるのかな?」
救出してもらって安心したのか小さな尻尾をプルプルと震わせている仔猫の首もとをよく見てみれば、妙に目に付くあのツナギを思わせるどピンク色の首輪が。
『ちゃんとおうちかえれるよー!でっかいにんげん、たすけてくれてありがとー!!』
グルグルと愛らしく喉を鳴らしながら、感謝を伝えるようにすりっと蓮の頬に顔をすり寄せる仔猫。
なんだかもう、すっかりとこの仔猫が喋ってる事を疑いもしないし不思議とも思わないなんて……俺もあの娘のメルヘン趣味が伝染したかな?などと、考えながらも動物好きな蓮が、するりと撫で心地の良い毛並みと撫で撫でと戯れていると
「あれ?やっぱり……敦賀さん!」
と、そこに聞こえて来たのは元気な少女の声とぱたぱたとかろやかに走るの靴音が。
「おはようございます!どうされたんですか、こんなところで?」
ぺこりと綺麗な所作でもって蓮へと挨拶するのは蓮と同じ事務所に所属するタレントだ。
「おはよう、最上さん。この子がね、木に登って降りれなくなっちゃってて……」
予定外に思わず想い人の顔を見る事が出来た喜びに唇を微笑ませながら、蓮は手の中にいる白い仔猫をキョーコへと見せた。
んにゃぁ、みぃー?と、仔猫は愛らしく鳴く。
それはキョーコの耳には猫の鳴き声としか聞こえないけれど、蓮にはこう聞こえたのだ。
『でっかいにんげん、このこがすきにゃの?』
仔猫にまで募らせたキョーコへの片想いを指摘されて、どきりと蓮の鼓動が跳ねる。
が、当のキョーコといえば蓮と仔猫なんて意外でかわいい組み合わせに内心もだもだと悶えて萌えているのだけれど、蓮から見れば仔猫のかわいさに夢中になっているようにしか思えない。
仔猫の声?がキョーコには聞こえないようだと、蓮がほっと息を吐いたその時だった。
んにゃ、んにゃーぁ!と、鳴きながら仔猫がちょんっと蓮の唇の少し下に鼻先を押し付けてきたのは。
『でっかいにんげん!たすけてくれたおれいに、わたしのちからちょっとだけかしてあげる!』
と、蓮にはそう伝わった。
器用に蓮の手から抜け出した仔猫はするすると蓮のジャケットをつたい降りるとぴょんっとジャンプして着地を決め、みぃ!とひと声鳴いた後てってっと駆けて行ってしまった仔猫。
「あぁ、帰っちゃったみたい……かわいい仔猫でしたね。」
繁みの中へと消えていく仔猫を見送った後、蓮へとにこりと笑顔を向けたキョーコ。
不思議なことに、蓮にはキョーコのその声と重なるようにもうひとつ……キョーコの声が聞こえるのだ。
『モー子さんと仕事の後での新作アイスデート♡がモー子さんの撮りが押してキャンセルになっちゃうなんて、今日はいい事ないって凹んでたけど……予定外に敦賀さんに会えるなんて捨てる神があれば拾う神あり?じゃないけど、やっぱり今日はラッキーデーかも!』
しれっといつも通りな様子を見せている目の前のキョーコと正反対みたいにきゃーきゃー!とはしゃぐみたいなその声。頭の中で重なるように聞こえるそれは、まるでさっきの仔猫の声のよう。
って、待ってくれ!ちょっとだけわたしのちからをかしてあげるって、そう言ってたけど……
この声は、最上さんの心の声……なのか?本当に?
「最上さん……もしかして、今日琴南さんとのアイス食べに行く予定がキャンセルになった?」
「へ?……確かに、そうですけど……なんで敦賀さんがその事ご存知なんですか?」
さっきモー子さんからメール届いたばっかりなのに?と、きょとんとした表情で小首を傾げているキョーコ。
本当に助けた仔猫の不思議な力なのか?と、マジマジじぃっとキョーコの顔を確かめるように見つめている蓮の黒い瞳。に、たじりっと後ずさるキョーコ。
いつのも蓮ならここでにっこりキャラっと微笑んで恋するが故の男の熱視線を誤魔化してみせただろう……だが、今の蓮には聞こえるのだ。
『顔っ!うっかり敦賀さんと遭遇な幸せゲリラでも、ニマつかない!!敵は要注意なラスボス!3.141592653598793238462643…………』
記憶力、凄いね……って、いや!そうじゃなくてだ!!
蓮に聞こえるこの不思議な声が仔猫の時と同じく……キョーコの心の声であるのならばっ!
円周率やらラスボスやら何かと解りづらくはあるが、蓮と予定外に遭遇出来た事が顔がニヤつく程の幸せだと……キョーコも、そう思ってくれてるってことだろうか?それって、もしかして……
恋い焦がれた男には、いや待てはやまるなと待ったをかける脳内名医の声もどこかいまいち効き目が薄い。
「最上さん」
「はい……って、近いっ!近いです、敦賀ひゃん!!」
グッと唐突に迫り寄る蓮の顔に慌てふためくキョーコ。
なにせ、蓮が焦がれる相手は恋愛拒絶な曲解思考回路搭載乙女なのだ。尊敬する先輩か、ともすれば崇拝の対象とくらいにしか見てくれていないとそう思っていたキョーコの心の声が聞こちゃってるみたいで……そんな摩訶不思議な現状。顔にこそ出てやいないが、蓮もテンパっているらしく。
それでも、このチャンスを逃してなるか!な本能が突き動かしたがゆえか、蓮の腕は無意識のうちに愛しい獲物の細い腰を優しく、だが、がっしりしっかりと捕獲していた。
『きゃー!何事ですか?今日も神が作りたもうた如き美貌……が無駄にキラびやかです!かっこいいなちくしょう!!はっ、見惚れてるってバレないようにしなきゃ…』
うっすらと頬を染めたかわいい顔。朗々とダダ漏れなまでのキョーコの心だと思わしき声。
蓮に見惚れてしまわないように、だろうか?きょろきょとと泳ぎまくる紅茶色の大きな瞳。
「最上さん……俺の顔、好き……なの?」
一歩間違えばとんだナルシスト発言。密かにハリウッドの銀幕スターと世界的モデルなんてどう組み合わせてもかなりな美形しか生まれ無さげな遺伝子を持つこの男が言うと、また別の意味で冗談になってないそれ。
だが、どうか笑ってあげないでやっていただきたい。
なにせ現在この国で一番のモテ男ともいえる称号を持つ秀麗なるこの男。けれど、一皮剥けばこの歳で自覚しちゃった重度な初恋を拗らせた恋愛初心者。
必死なのだ。いっぱいいっぱいなのだ。
「……っ!?!?」
いつの間にやら腰に回された腕に引き寄せられ、ラブシーンですか?なばかりの至近距離でいきなりそんな事言われちゃってなキョーコ。
ぶわっと鮮やかなまでに真っ赤に染まる頬。
ドキドキと煩い心臓の音はどちらのものなのか?
そして、キョーコは叫ぶように零してしまったのだ。
想いを隠さなくてはいけない相手を前に、だがそれも仕方がないことだ。
だって、それは仔猫の不思議な恩返しがなければ誰も聞くことのない心の中でなのだから




『っぅぅ……もうっ!この無自覚タラしなお方は、しれっとなんて事を聞きやがりますかね!?こっちはただの後輩でもいいからそばに居たいって必死で隠してるのにっ!私が、好きなのは貴方の顔だけなんかじゃありませんけどね!!』




目の前の男が、蓮へと恋心を抱くキョーコを軽蔑したりなんてしないから!なんて妙にピンポイントな言い包めをする捕獲者の眼をした暴走する口説き魔へと変わるスイッチをポチりと押し込むそんな事を、うっかりダダ漏れにだ。












さてさて、少し時間がたったその後である。
不思議な恩返しの所為で知らぬ間に蓮のスイッチを押しちゃったキョーコと棚からぼたもち的に落ちて来た獲物を逃すつもりなどない蓮はどうなった?
場所はとある高級マンションの最上階ワンフロア独占なお部屋にあるこれまた庶民には手も出ないようなイタリア製な高級ソファーの上。
マネージャーが見れば商品としての敦賀蓮の売り方の方向性を考えるかもしれないほどに、蕩けた笑みを浮かべた男。
その膝の上に、ちょこんと乗せられたキョーコ。
蓮の膝の上だというその現在地が恥ずかしいのかその頬は真っ赤である。
むぅむぅと蓮の膝の上から逃れようともがくキョーコと、それをきっちりと捕獲する蓮の腕。ぷるぷると無駄に足掻くその様子は蓮にとっては、まるで愛らしい仔猫にじゃれつかれているようなもの。
キョーコの想いを知れた嬉しさに浮かれ、クスクスと楽しげに笑う蓮。
キョーコにとっては余裕たっぷりとみえるそんな蓮に
「むぅぅぅー!!敦賀さんばっかり一方的に私の心の中が悟れちゃうなんて、ズルいですっ!!」
と、キョーコはふくりと頬を膨らませながら不服を訴えた。
すると、蓮はそんな憤るキョーコへと
「なに?キョーコ、俺の心の中が知りたいの?」
と。そう、にやりと笑うとトロリと甘ったるい低い声で告げ。腕に捉えたキョーコを抱き寄せるとその耳朶に唇を寄せ、内緒話をするかのように潜めた小さな小さな声で何事かを耳打ちする。
恋した相手である敦賀蓮の本心、そんなキョーコとしてはどうしようにも気になるそれに耳を傾けていたキョーコ。
みるみるとその顔は茹で上げた蛸の如くな真っ赤に染まっていって…………





「っ!?つっ…………敦賀さんの、破廉恥ぃぃぃー!!」





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この後、犬派?猫派?なありがち質問に
「もちろん、ダントツ断然に猫派です。特にカッパーの瞳をしてピンク色の首輪の白猫には足を向けて眠れませんよ。」
とかやけに具体的にお応えなさるようになっちゃう敦賀さんとか、どうよ?
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、


「社さんはご実家で猫飼ってましたよね?猫が喜ぶもの、特に仔猫への贈り物って何が喜ばれますか?」なーんてマジ本気な必死さで聞いちゃう蓮くんやら、それからコネと財力にもの言わせてやたらセレブな特注猫じゃらしやらちゅーる的なものを人生最大の恩猫への恩返しにと常に携帯して仔猫と出会った場所に通うようになって、やっしーに盛大に不審がられたりとか妄想すると楽しいかもですねー!
……猫木だけですかねぇ?
(´・ω・`)



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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