| 壁 |д・)……猫木めにございますよ。
現在、罠なヤンでマガなお話がとっても中途半端なところですが、今宵のこれはあのお話とは別な話。


友人からちょいと小耳に挟んだものから、勢いで書きたくなっただけなくだんないいまいち萌えない妄想にござーい。
そんなのあるのね……猫木は初耳でしたけど、皆さまご存知でしたか?
_(:3」z)_



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「あー!敦賀くん、やっと来た来た!」
その日の何本か目の仕事現場のスタジオに着いた途端に、くるっと360度踵を返してしまいたくなった。
……遅刻もしてない。いや、それどころか前の仕事を予定より早めに終わらせたから入りの予定時間より早く入ったのに、いつもの4割増しな感じでの大歓迎っぷり。
それも、社さんが俺で遊ぼうとしてる時みたいなニヨニヨした笑顔の貴島くんに、だ。
ちょっとくらい引き返したくなるのも仕方がなくないか?
「おはようございます!敦賀さん。」
と、そこへ元気の良いかわいい声が。ぺこりと綺麗なお辞儀のあとにはニコリとした笑顔。
「おはよう、最上さん。」
うん。どうせなら、貴島君じゃなく最上さんに歓迎されたいってものだろう?せっかく久しぶりの共演だって楽しみにしてたんだから。
なんて、思ってるとがしりと肩に貴島くんの腕が。
「今さー、ちょうど休憩になってみんなでたい焼き食べてたんだけど敦賀くんも食べるだろ?」
と、グイグイと数組のパイプ椅子と小さなテーブルで作られた即席の休憩スペースへと誘導しようとされる。
「いや、俺は……」
現在諸事情により事務所へと戻っているマネージャー監視のもとで昼食を数時間前に取ったばかり。お腹空いてないし、甘いものもそんなに得意じゃない。
何より、貴島とたい焼きって組み合わせにいい思い出のない俺が断ろうとすれば
「今日のたい焼きは、差し入れにって京子ちゃんが甘喜廊の行列に並んで買って来てくれたやつなのに?」
と、遮るように言われた。
確かめるみたいに最上さんへと視線を移せば
「あの、このお店の餡は甘さも控えめですし、敦賀さんでも召し上がっていただけるかと……」
その上目遣いは反則じゃないかな?
最上さんのかわいさにやられてるうちに、貴島君に半ば強制的に座らされて、渡されるがままに消毒用のウエットティッシュで手を拭けば
さぁ、どうぞとばかりに俺の前に差し出されたたい焼き。
ぱりっと焼き目が付いた鯛の形を模った和菓子。
それは、いい。最上さんがせっかく俺にって買って来てくれたんならたい焼きのひとつくらい食べてみせるともさ。
それはいいんだけど………………最上さん、そのどこかワクワクしたみたいな眼差しは、何かな?
ぢ…っと、俺を見る大きな紅茶色の瞳。まるで、ヒール兄妹で買い物に出た時にバフォメット衣装一式を俺に強請ってみせたときのセツカみたいな色で。
何故か、貴島くんをはじめそこに居合わせている全員から期待したみたいな視線がひしひしと感じ取れる。
ドッキリの撮影とかじゃない……よな?と、訝しみながらも、たい焼きをひとくち。
その途端にだった。
「貴島さんっ!背中!背中からでした!!」
って、最上さんがそう声を上げて貴島くんへと身体ごとな勢いで顔を向ける。
「へー、敦賀くんは『背中から派』かぁ〜」
顎に手をやって、ニヤニヤと笑っている貴島くん。
………………俺を置き去りにしたそんな雰囲気に、ついイラッとしてしまったらしく、顔に出したてもりはないのに最上さんにビクリと怯えられてしまった。
貴島くんは俺と争って奪い合うつもりはないって言ってたけど……全幅の信頼を置いてはいない。だって、最近の最上さんの馬の骨の増産っぷりは油断なんて出来たもんじゃない!
だいたいだ、無防備でかわいすぎる最上さんが悪い。
「たい焼きを何処から食べるかで性格診断ってのがあってさー。『背中から派』は神経質で感受性が強い。孤独が好きだけど、いざひとりにされると寂しがる甘えん坊だってさ。」
そんな俺の苛つきにも最上さんの怯えにも知らぬ顔で貴島くんが楽しげにそう宣う。
感受性が強いのは役者にはプラスだから良いとしても、神経質に甘えん坊って……
「そんな事で簡単に人の性格なんて分かるものかな?」
と、自分にぴたりと当てはまってるなんて思えなくて、つい疑問を零してしまう。
だって、俺が背中から食べたのはこの前調べた焼き魚の正しい食べ方マナーの手順が頭に残ってた所為で……なんて思ってるとだ。
「いやいや、俺は以外と信憑性のある診断なのかもって思うよ?だってさ……」
俺で遊ぼうって企んだ目の貴島くんが、耳を貸せとばかりにくいっと指で招く仕草を見せる。
胸のどこかがざわつくみたいな嫌な予感がするけど、思わせぶりに最上さんへちらりと目をやる貴島くんの視線が気になって……嫌々ながら耳を貸せば、こそりと潜めた声で耳打ちされた内容に俺は頭を抱えてしまった。



「京子ちゃんは『尻尾から派』。んで、『尻尾から派』の性格はロマンチストで慎重派。鈍感なところもあって……異性からのアプローチに気付きにくい……ってさ。」



心当たりがあり過ぎて。特に、しっかりきっちりと強調のアクセントが付けられた最後の部分が。
がくりと落としてしまった肩をポンポンと叩きながら貴島くんは更に俺に追撃を放つ。
ニヨニヨと揶揄うみたいな楽しげな声で。





「敦賀くん、相当がんばらないとダメみたいだよ?」





もう、どうしたものか……
仕方がなく、俺は自分の手にあった齧りかけのたい焼きを睨み付けたのだった。





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あなたはどこから派ですか?
(*ΦωΦ)




因みに、『頭から派』は大雑把で楽天家。失敗してもクヨクヨしない負けず嫌い。熱しやすく冷めやすい。
『おなかから派』は男性的で積極的。世話好きの人気者。頼まれてると断れずに損をする事もある。
更には、『半分に割って頭から派』意志が強い行動派。自信家で頼りになるが、少し口うるさい。
『半分に割って尻尾から派』用心深い優等生タイプ。自分の気持ちに素直になりたいと思っていてもいざとなるとその勇気がもてない。
まであるらしいですよ?



猫木めは、基本は袋に入ってた方向のまま食べますが、強いてどこからかと言われれば頭から派です。笑




ただ単に、たい焼きひとつで貴島くんにからかわれまくる蓮くんってのが書きたかっただけにございます。
そんな横で、キョコさんが甘えん坊なキュン萌え敦賀さんをうっかり想像しちゃって顔面崩壊しそうなのを必死で耐えてたりしてて欲しい。
さらにこの後、俺ってひとりになると寂しくなるらしいからってキョコさん言いくるめて一緒にご飯とかちゃっかり捕獲して気持ち頑張り目にアプローチする蓮くんとかも楽しいかと……
( ´艸`)


おそまつにございました!!



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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