お久しぶりとなっております?猫木めにございます。
(*ΦωΦ)

実は、ひゃっほーい!北に遊びに行くぜーぃ!と↓な感じで真っ白な北海道へ旅に出て……帰ってみると仕事が山積み。
んで、更にはちょっと体調を崩して飲んだ薬で見事に薬疹☆と、いろいろ踏んだり蹴ったり遊び回っていたツケを払っておりましたとさ。
_:(´ཀ`」 ∠):




それにしても、この時期の試される北の大地には何度か遊びに行ってたりしたのですけど……今年は寒かった!大寒波で一番低い時はマイナス20度にまで下がってましたよ。
そこまで冷たいといろいろと凍り付くものなのですよ。お外で金属製ものを触る時には手袋必須!なんて注意ははじめて聞きましたとさ。
旬も過ぎちゃった系でなんだか長めとなってしまったんですけど、まぁ途中まで書いちゃってましたし……
旅の間になんとなーく思いついちゃったようなくだんない妄想小話をば、よろしければぜひに。



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「きゃぁ〜!凄いですね、どこまでも真っ白!!」


つんと冷えた冬の空気の中にはしゃいだキョーコの声が響く。
こんもりと積もりに積もった一面の銀世界と冬木立の中を、耳あてに手袋にマフラー更に厚めのダウンコートでもこもこと防寒対策をしたキョーコがスノーブーツの足跡を残しながら跳ねるように歩いて行く。
楽しそうに雪の積もった枝を見上げるキョーコの瞳はキラキラと輝いていて。きっと雪の妖精のプリンセスでも探してるんだろうな……と思いながら、そんなキョーコの数本後ろを追うようについて歩くロングベンチコートを着込んだ男のマフラーの下に隠された唇には、ついついほにょりと笑みが浮かぶ。
「ゔぅぅぅぅ……3日もすればキョーコちゃんもうんざりするよ?」
そんなキョーコと蓮を見守るように追いかけて雪の上を歩くのは、キョーコと同じくもこもこと重装備に防寒着を着込んだふたりの頼りになる有能なマネージャー。
蓮を主演とした雪景色な中でのサスペンスドラマのロケ撮影へと、本日来道したキョーコより5日ほど前にこの冬のこの地を蓮と共に訪れていた社。
雪のある絵を撮りたいってわざわざここまで来たのだから本来なら大歓迎な筈の雪を伴った寒波……なんだけど、いくらなんでも限度があるだろう!なんてぐちぐちと自分の身体を抱くように身を縮めながらボヤいてみせる。
自分の吐いた暖かな空気でメガネを白く曇らせたりなどする社へと、キョーコはごめんなさいと頭を下げる。
そう、このTVニュースでもしきりに今年最強の大寒波なんて言われてしまっている極寒な中を、外へと繰り出している原因は……他ならぬ、キョーコなのだった。




ロケ地の借り上げ時間の関係でぽかりと空いていた休憩時間。
短期ロケなので人の数は少ないとはいえ、借り上げた宿泊先。昨晩の夜の飛行機から特急更にはタクシーと乗り継ぎ、到着して一番に挨拶に蓮のもとへと、そのかわいい顔を見せてくれていたキョーコ。けれど、密かにキョーコを、それも恋愛拒絶なラブミー部員だなんてツワモノへと片想いを続けてしまっている蓮としては……もうちょっと一緒にいたいじゃないかと、休憩時間にそれとなくキョーコを探していた時のことだった。
蓮が見つけたのはそそくさと外へと向かおうとしているキョーコの姿。
「……どこに行こうとしているのかな?マフラーもしないで。」
まさに今、スノーブーツに足先を入れようとしているキョーコの背後で蓮の低い声が落ちる。
ひぃっ!っと、蓮のプチ怒りの感情を感じ取ったキョーコは身を竦め、恐る恐ると振り返ると言ったのだった。
「え……と、あの少し……元気(パワー)を充電(チャージ)しに……」
てれてれと、そう白状するキョーコに思わず蓮は耐えるように自分を戒めて腕を組んだ。
そして、帽子もマフラーもしてないじゃないか!外はマイナス20度なんだよ?耳が隠せるニットの帽子か耳あてにマフラーと手袋は必須だってメールした筈だけど……まさか、持って来てないとか……お小言をこぼし出したのだ。
もちろん!敦賀様からのお言葉の通り、この最上キョーコ、防寒対策のあれこれとしっかり持参して参りましたっ!!と、ぴしりと敬礼するキョーコとじゃぁ、なんでそんなコートだけで外出しようとしてるのかな?はぁ……俺もコートとか取ってくるから最上さんも一旦部屋に帰るよ?なーんて、すっかりちゃっかりキョーコの雪景色へのお散歩に付き合うおつもりならしき蓮。
……と、商品たる所属俳優とタレントを下手すれば遭難の心配のある土地勘のない雪の中へとひとりでやれるかとついて来てくれた社。
そんなこんなで、3人は東京では決して見る事はないだろう見渡す限りな銀世界へのお散歩へと出ていたのだった。
メルヘン世界へとキョーコがによによとどっぷりトリップしたり、蓮から滲み出るような社さんさえいなければ……な気配を感じながらもマネージャーとしてにんやりと揶揄う笑顔を浮かべてみたり、さらっさら過ぎて作り難いながらも小さな雪だるまと雪うさぎを作ったりと、楽しく雪の世界を楽しんだ3人。
けれど……やはり大寒波。防寒用のスノーブーツとはいえ、足の指の先から冷たくなりだしてしまう。
「そろそろホテルへ帰りましょうか。」
と、蓮が提案すれば反論の声などなく
「お付き合いくださってありがとうございます!」
と、寒さで頬を赤く染めたキョーコは感謝の言葉を蓮と社へと伝える。
そうだね、あったかいコーヒーが飲みたくてたまらないよ……なんて言いながら社が宿泊先のホテルへとつま先を返した、そんな時だった。
「あ……最上さん、ちょっとだけこっち向いて?」
と、そんな蓮のキョーコへの低い声の甘さに振り向いた社が見たものは……
ふえ?と、無防備に言われるがままに蓮を見上げたキョーコへとその端整な顔を近付け、キョーコの瞳あたりに啄むような口付けを落としている蓮の姿だった。
え?え?えぇぇぇぇーーー!?蓮くんったらなんて大胆なことしちゃってるのおぅ?キョーコちゃんのかわいさに我慢が出来なくなっちゃったのか!?それもと……もしかして、ふたりって俺の知らない内にちゃっかりお付き合いとか始めちゃってたの?と、内心でJKのごとくなはしゃぎっぷりの社。
ぶわっと見事なまでに真っ赤に染まるキョーコの頬。
「反対もね?」
と、ヤケにしっとりとぞわりと耳に響く低音でもって告げてみせると、今しがた口付けたのとは反対のキョーコの目もとへと唇を落とす蓮。
「っっっっな……な、ななななななにをなさって……」
ぴきょっ!と、硬直したまんまで、思いもしなかった蓮からの口付けを2度に渡り受けたキョーコは驚きに声を上げるのだけれど
「ん?だって、最上さんの睫毛が凍ってたから。」
と、けろっと答える蓮。
ほら、今は手袋しちゃってるからね?と、防寒用のポリウレタンな手袋をキョーコの前で見せつけるみたいにかしゃかしゅと鳴らしてみせる。こんな指で女の子の柔らかな目もとなんて擦れないだろうと。
「っ!?それくらい、言っていただければ自分でっ!!」
ぷしゅーっと、キョーコの頭の先から煙が立ち上るのが見えるかのようだ。
ごめんごめん。つい、ね?とキョーコを宥めている蓮に……社は、絶対にわざとだろ。ただ、キョーコちゃんに触れたかっただけだろ?と、思いつつも口には出さない。
「もぅ!敦賀さんはそんなだから、タラしでコマしなんですっ!!無自覚に罪作り過ぎです!!」
密やかな恋心を抱える身としては心臓に悪過ぎる!と、ぷりぷりと怒ってしまうキョーコ。
愛しい想い人からのあんまりな酷い言われように、困ったように眉と落としていた蓮だが……
「うん。俺って罪深い男かもしれないかも……」
などと、わざとらしく胸に手を当てて嘆いてみせる。
「思い出したんだ。どこでだったかな……女の子の睫毛の先には、恋する気持ちが宿るって話を聞いた事があったのを。最上さんの睫毛に宿っていたキラキラして氷の粒を、俺が奪ってしまったから……」
ごめんね?と、キョーコをキュン殺せんがはかりなあのかわいらしい表情で謝っている蓮。
「っっっ!!!わ、私は……ラブミー部ですからっ!!」
恋なんて毒感情は睫毛の先にも宿りません!と、プイッと蓮から顔を逸らしながら言い切って、ホテルへと歩き出すキョーコ。
その少し後を追って、歩き出しながらも蓮は告げる。
「じゃぁ、最上さんの恋する気持ちは俺がここで暖めておくから……返して欲しくなったら言ってね?」
ここで、とその胸に愛しげに手をやる蓮。
だから!最初から私にそんなものはございません!!と、ムキになったように言い張るキョーコ。
そんなふたりの無自覚無意識での戯れるようないちゃいちゃしたシーンの一部始終を目撃させられた社は、ドスドスと雪の上を歩いてゆくキョーコを見送り蓮の隣に並ぶように歩き出すと……
蓮にしか聞こえないように小さな声で悪く揶揄うみたいに言ったのだ。
「れぇぇぇぇん?返却するつもりのない口約束はしない方がいいんじゃないのか?」
睫毛の先には恋する乙女の心が宿る……なんて、どこで伝え聞いたんだか?もしかしたらその場での口からでまかせの可能性すらあるかもしれない、そんな言い訳でキョーコの睫毛へ口付けた蓮にクギを刺すかのように。
キョーコが返してくれと言ったところで返すつもりなんてないんだろ?と。
この強奪犯め!と揶揄する社へ、にやりと唇に笑みを浮かべた蓮は同じくキョーコには聞こえないように小さな声で答えてみせたのだった。




「ちゃんと返却しますよ?……最上さんの恋する相手が俺だったならって、譲れない条件付きですけどね。」




数歩先の真っ白な雪景色の中を歩くキョーコへと、愛しげな瞳を向けながら。




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ご存知でしょうか?
睫毛って寒いと凍るんですよ。


猫木は、今回の旅で初めてでびっくりしましたとも。
でも、いろいろと美味しくて楽しかったからまた行きたいですな☆
(*ΦωΦ)


かわいい系な話になる予定がならなかった。そんな思い付きなだけのものにお付き合いありがとうでした。
次からは4周年なあれそれへと戻っていけたらな……とか思ってたりです。



NEXT罠々→猫木のところには何故かあんまりいない、あのヤンマガな兄妹さんたち……の予定?←いつものとおりなのーぷらん
_(:3」z)_


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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