蓮誕なつもりな話。時系列が行ったり来たりなので混乱するかもしれませんが……
まぁ、所詮は猫木ないつもの読みにくさですよ！？
(*ΦωΦ)
別に、おめでたくもロマンチックでもラブでも素敵でもない、そんなものですがなんでも桶ー☆なお方はどうぞなまぬるぅーくお付き合いをば！
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『プロムナード・クラッシュ。』
ふぅと、吐き出された甘さを含んだ香りのシガーの白い煙は、小型の空気清浄機へとゆらりとゆらりと揺れながら吸い込まれてゆく。
今のＭＹブームが何度目かのパイレーツならしき、眼帯に羽根つき帽子にバロック調なジャケットの船長姿をしたＬＭＥ芸能事務所を束ねるその男は肺から煙を吐き出し終えると、改めて言葉を声にした。
「どうしたらラブミー部を卒させてもらえるのか……か。」
ローリィの対面に座っているのは、彼が自社にラブミー部なる奇怪な部署を設けるきっかけとなったひとりの少女。
縞々模様の海賊の手下そのいちな格好をして今も部屋の隅に控えているルトが、そっとキョーコの前へと置いた暖かなミルクティーの入ったコップにはひとくちも口をつけぬまま。
キョーコはローリィを訪ねるなり問うたのだった。
『どうしたら私はラブミー部を卒業させていただけますか？』
と。泣き腫らしたような真っ赤な目もとで……だが、微塵も瞳を逸らすことなくまっすぐに。
……どうしたものか。白い煙を燻らせながらローリィはしばし思考に耽る。
ローリィの前で蓮への想いを認め泣いたあのホワイトデーの時と違い、明らかに泣き腫らしたあとを残すキョーコは、それでも泣くまいとしている様子なのだ。それこそ、キョーコの前へと差し出されたあたたかで甘いミルクティーの、そのほんの僅かな優しさでさえ、触れてしまえば涙が零れ落ちてしまいそうで手もつけれぬままな必死さで。
キョーコがそうなった原因など……ラブミー部の卒業と絡んで、蓮のほかにあるまい。
キョーコの蓮への想いを。そして蓮のキョーコへの想いをも知る者として、ねじれ拗れたらしき今のふたりへどこまでの干渉をしたものか……
例え、ここでローリィが蓮のキョーコへの恋慕を暴露したとてキョーコは決して信じやしないだろうし、なによりそんな無粋はつまらないと勘が訴える。
難関苦難を乗り越え自力で花を咲かせるからこそ愛は甘く美しい！がモットーなのに、トキメキの半減するようなことをする男ではない。
ふぅぅと、肺から息を吐き出した悩める愛の伝道師は、とりあえずキョーコへと答えを返す。
「君がラブミー部を卒業するにはまだ、半分くらい……足んねぇな。」
ローリィのその応えに、ピクリと小さく肩を震わせたキョーコ。
愛したくも愛されたくもないという恋愛拒絶のラブミー部員。
けれど、キョーコは蓮への恋心を抱いている。それこそ、その恋を地獄へと落ちるまで秘めるのだと決めてしまうほどに、深く。
誰かを恋しく想い愛する心は取り戻せた。ならば、残る半分は……
「私が…………敦賀さんに……愛されたいと、認めて……」
掠れたようにつぶやき落とされる小さな声。
揃えられていた膝の上でぎゅっとキョーコの手が握りしめらて震えていた。
どこか迷子のような瞳で自分を見るキョーコへとローリィは続ける。
「それを認めて蓮へその願いを告げたなら、その結果がどうであれ、俺は君の卒業を認めよう。……もちろん、卒業の暁には事務所をあげて全力でバックアップを約束もしようとも。」
想い想われ恋しい相手に愛されたい、その願いは誰しもが皆叶えられる訳ではない。
想いを返されない事だって、想う深さが不釣り合いなことだってあるだろう。一方的な形となる悲恋だとて……それを、ラブモンスターとまで言われた男がそれを愛だと認めない訳などないのだから。
ニヤリと笑いながらつけたされた、今となっては懐かしいようなラブミー部への報酬。なんの助勢もないただの使いっぱなしなラブミー部から順調に芸能人としてのキャリアアップを進んで来たキョーコ。
今更なその報酬を確約してみせた、その意図とは……
結果がどうであれ、ＬＭＥでのキョーコの居場所を確約するローリィのその言葉に、瞼を伏せたキョーコは人騒がせでお節介焼きな雇い主へ感謝を示し深々と頭を下げたのだった。
地獄の底へ落ちるまでひとり胸に秘め続けるのだと決めていた想いを、蓮へと告げるそう心を決めて。
例え、その結果が悲しいものになるとわかっていても……
それがキョーコが出した答えであり、そして、蓮の望みなのだから。
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猫木めは、明日よりしばしの間旅に出る予定にございまする。
コメント返信等々が旅から帰ってからになるので、遅れてしまうかと思われます。
| 壁 |д･)……けど、コメントはほんと書き散らかす活力となっておりますのでよろしければっ！！←欲しがり
目指せ、ラブミー部卒業！！……の、割には泣き腫らしたご様子なキョコさん。
はてさてどうなる？蓮さん誕生日まで続きますぞ！←予約投稿
次回、告げられる願い
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。
