この話、パラレルにつき!
 
 
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寝起きに美形は心臓に悪い。
それも神さまがとびっきりに愛して丁寧に作ったんじゃないかな?ってくらいに桁外れな美形が×2だもの。
思わず悲鳴上げたって仕方がないじゃない!?
 
 
 
 
 
内容は覚えていないけど長くおかしな夢を見ていた気がする。
酷くドロドロした粘つくみたいな眠りから目が覚めた時、まず目に飛び込んできたのが…………
まるで目を覚ますその瞬間まで見逃さないようにってくらいなまでにまじまじと私を覗き込んでいる久遠と蓮の顔で。
「っぃぃぃいやぁぁぁぁぁぁ……ゴホッ」
カラカラの私の喉から飛び出した悲鳴は、途中で咳に変わった。
「「キョ、キョーコちゃん?」」
って、びっくりしたのかふたりが声を揃えてるけど、寝顔……マヌケた寝顔をじっくり見られるなんてっ!!って羞恥心でいっぱいいっぱいの私はお布団に潜り込む。
蓑虫に私はなるっ!!
「キョーコちゃん、大丈夫?」
心配そうな蓮の声。…………あれ?そういえば、私、昨日ふたりの手当てをしてから……どうしたんだっけ?
そろっとくるまっていたお布団から目だけ出してみると、ここは私のお部屋で……
「熱は?気分が悪いとかない?」
そろりとおデコに当てられた大きな手。
「よかった……昨日の夜よりだいぶ下がってる。」
ほっとしたみたに落とされた久遠の声。
私、熱を出してたの?
自覚したからかな……そういえば、身体が重たくて頭がぼんやりするし、少し喉が熱くて痛い……ような気がする。
季節の変わり目だし、雨に濡れちゃったりとかしてたから久しぶりに風邪ひいちゃっていたのかなぁ?
もそもそと、居心地の悪いみたいな気恥ずかしさを誤魔化すみたいに髪を撫で付けながら身体を起こす。
ベッドサイドには水差しとコップ。それに、コンビニの袋に入ったまんまな冷えぴたや風邪に!と書かれた葛根湯や滋養強壮剤なんかの瓶がいっぱい。
わたわたと心配そうに私の肩にブランケットを掛けてくれる久遠と蓮。
ふたりの服装はよれよれでくしゃくしゃな昨日のまんま。手当てした時よりも色が青黒く濃くなってる内出血の跡に、寝不足を訴えるみたいな充血した目。
ふたりとも…………寝ないで付きっ切りで看病してくれてたんだ。
「ごめんね、ふたりとも。風邪……移っちゃうといけないから」
笑ってみせる。もう、ひとりで大丈夫だって。
まだ熱があるって、帰らずに心配してそばにいてくれようとする久遠と蓮へ、首を左右に振ってみせる。
 
 
「駄目。もう、一緒には……いられないの。」
 
 
私が、その返事の言葉に含めた意味を。ただ、ふたりの看病を断ってるだけじゃないって…………感じ取ってくれたふたりが小さく息を飲む。
キョーコちゃんって、なんでって、置いてかれそうになった昔の小さかった時みたいに、私の手をぎゅって握ってくる大きな手。
私をまっすぐに見る黒と翠の綺麗な瞳。
 
 
 
 
 
 
 
昔と変わらないまま優しいふたり。
びっくりするくらいにかっこよくなって帰ってきてくれた……私のかわいいわんこみたいだった小さな幼馴染み。
きっと、久遠を久遠として、蓮を蓮として大切に想ってくれるひとがすぐに出来る筈だもん。
 
 
 
 
 
大好きで大事な、私の蓮と久遠。
だから……
 
 
 
 
 
「ふたりのこと、そんな気持ちではみられないよ。」
 
 
 
 
 
もとの、仲良しなおとなりさんに戻れなくても……いいの、大丈夫。
せいいっぱいに強がって、笑って私はふたりにそう告げた。
 
 
 
 
 
 
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キョコちゃん、わんこたちをふる。
 
 
 
 
次回、おとなりわんこ。←ラストになればいいのになぁ……
そんで、今年中に終われたらいいなぁ。
_:(´ཀ`」 ∠):
 
 
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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