パラレルにござんす。
 
 
 
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引っ張り出した救急箱。消毒液の匂いが鼻につく。
「……っぅ!」
「痛いよ、キョーコちゃん」
蓮と久遠のそんな恨めしげな声なんて聞こえないふりで、少し乱暴な感じにふたりの傷の手当てをしていく。
だって…………今朝、当然学校サボるだなんて言って出て行っちゃっていたふたり。帰って来たと思ったらぼろぼろでケガだらけでさ?
しかもそのケガはお互いのせいだなんて言うんだもの。
その上、ふたりったら思いっきり吹き出して肩まで震わせて笑うんだもん!キョーコちゃんのさっきのセリフ、昔のまんまって……
恥ずかしさを誤魔化すみたいに睨み付けても、わざとちょっぴり染みるように薬を付けてみても、ふたりはどこか嬉しそうなままで。
 
 
 
 
 
「…………で?今日はずっとふたりでケンカしてたの?」
学校をサボるなんていけません!!ってお説教なトーンの声で聞くと、眉を落としてちろりとお互いを見やる蓮と久遠。
「えと、顔のやつ以外のケガは違って…」
ぼそりと、久遠がそう告げる。
久遠の目もとと蓮の口もと。ふたりの顔のケガ以外の汚れいっぱいな惨状は、他の誰かに???
「じゃぁ、誰にっ!?」
滅多にケンカなんかもしてなかったおとなりのわんこな男の子たち。こんなぼろぼろのよれよれっぷりにしたのは、何処の誰なのか?
ふつふつと抑えきれない腹立ちに声が尖って眉がぴくりとつり上がるのが自分でもわかった。
そんな私から視線を逸らしながら蓮がぽりょりと零した答えは、とてもとても意外なもので
「…………父さん。」
と、そう蓮は言ったのだ。
「父さんって……クーパパ?」
あり得ない。だって、あのクーパパよ?家族愛が重ったるくっていちゃラブ家族まっしぐらな、あのクーパパが?
信じられないって、私の顔に出ていたのか蓮と久遠は訴えるみたいに語り出した。
それが、約束だったからって。
クーパパに『参った』って言わせる事が出来たら……日本に帰って暮らしてもいいって。
 
 
「向こうに行ってからずっと挑戦してたのが今になって、それもふたりがかりでやっと……ってのが、情けないけど」

「でも、これで今度また父さんたちの仕事でどこかへ引っ越すってなっても、俺たちはここに残れる。」
 
 
久遠と蓮の眼はどこまでも真剣で……
 
 
 
 
 
だって……そんなこれじゃ、まるで……私が、蓮と久遠はどうせまた置いて行くんだって……子どもみたいに、泣いちゃったせいで?
そう考えてしまった瞬間、かぁっと火が付いたみたいに顔が熱くなって……





逃げてしまいたくなったの。
だって、気付いてしまったから

 
 
 
 
 
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わんこVSクーパパ☆でしたとさ。
わんこな目線のうさちゃんでちらっとそんな約束なこと書いたりしていたり……
親子対戦のイメージは、クオンくん演技なキョコちゃんとクーパパの戯れなあれそれを、思いっきり本格的バイオレンスな方向に振り切った感じみたいな?
そもそも子どもたちだけで生活は出来んじゃろ……ってリアルなことを考えてはいけませぬっ!!なんせ、虹でパラレル!やりたい放題に都合よくねじ曲げましょう☆
٩( 'ω' )و
 
 
 
次回、わんこたちの告白。←のーぷらんなんだぜよ。
_(:3」z)_
 
 
 
 ↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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